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#2【働く女性、人事必見】知っているだけでも女性活躍推進、進みます
世の中にある女性活躍推進が進まない理由についての説明が断片的な感覚があるので、ちょっとまとめて言語化します。
前回の #1の続きで、今回は『企業側の認知・態度編』です!
女性の社会進出が進まない背景(企業側の認知・態度)
1. 多様性の重要性における認知が無い
組織には多様性が重要であり、移り変わるビジネスの世界で生き残り成長するためには必要不可欠なのですが、そういった認知が無い場合が多いです。過去の歴史や研究から、同種の優秀な個人を集めるより多様性に営んだ組織の方が良い成果を出せるという結果が証明されていますが、この事実を知らない方が多いので『そもそも様々な制限がある女性を採用する必要ある。。?』と考えている方は多いです。組織には、意図的に多様な人材を取り入れる必要があるのです。
2. 女性を特別扱いしている勘違い、平等主義への固執
女性活躍推進の活動を行う上で、「実力も無いのに優遇するのか」「それは逆差別だ」といった反発が起こることがあります。
しかし、よく考えてください。これまで機会が与えられず、恵まれなかった結果として男女格差が発生しているので、女性活躍推進の取り組みは“優遇”ではなく“不平等の是正”であり“格差の解消”なのですが、それを『実力主義』という平等に囚われていて組織を変革することができない場合があります。
また、男性的な価値観が多い組織の中で女性が”実力がある”と認められることは難しいのではないでしょうか?
性別によって強みとなる特性が異なる場合があるのに(もちろん個人差はありますが)、その強みを強みと判断できない可能性があります。
3. 無意識のバイアス
「女性は○○のはずだ」「子供がいたら○○だろう」など、可視的・不可視的な基づき、フィルターをかけた状態でものごとを無意識に判断してしまう(=バイアスをかけてしまう)ことがあります。年齢/性別/身体的見た目/障害/宗教/国籍/職位などで、バイアスをかけて判断していることはありませんか?
もちろん各属性によって一定の”傾向”はありますが、それが個人に当てはまるかどうかは別問題です。人と向き合う場合には、各人との対話によってその人のことを知っていくしかないので、女性だから、、、と決めつけないことが重要です。
しかし、無意識のバイアスは誰しもが持っているものです。コミュニケーションにおいて、私たちはどう気をつければよいかを考える必要があります。
4. 上層部の生存者バイアスが強い
これも3に類する内容ですが、生存者バイアスとは、認識や思考の偏りを意味する認知バイアスの1種で、失敗した対象を見ずに成功した(≒生存した)対象のみを基準に判断をしてしまうことをいいます。
企業の上層部の方々で、自分がこれまでやってきた成功体験で今の時代も生き抜こうとしている方はいませんか?それは生存者バイアスがかかっている可能性があります。時代は常に変わり続けているので、昔の生存者バイアスは今の時代にはほとんど通用しないでしょう。
そういった上司に当たってしまった場合、(女性が、というよりかは)価値観の合わない部下側はかなりやりにくい状況ではありますが、上司も上司で自分を育てようとしてくれているのだと理解することはできます。その上司も自分のバイアスを知らないだけなのです。
5. 過渡期を乗り越えられない
昨今では、D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)を意識した取り組みを実施している企業も多いですが、成功していると言える企業は少ないでしょう。その理由の一つが、企業側が開始して数年で結果を求めてしまい、取り組みに対する費用対効果が無い/意味がないと感じてと判断して諦めてしまうことです。
D&Iの取り組みは10~20年続けて初めて効果が出始める、と言われるほど時間のかかる取り組みです。企業側は、過渡期を乗り越えて継続/ブラッシュアップしながら粘り強く取り組みを続けていく必要があります。
(引用)メルカリが語るD&Iのリアル。「草の根活動」が経営戦略に変わるまで
Diversity & Inclucion Teamマネージャーの寶納(ほうのう)さんがおっしゃるには、D&Iに取り組みたいけれど何から始めればいいのか分からないという企業が取り組むべきことは2つ。
”1つは、D&Iはすべての組織が取り組む必要がありますが、自分たちの組織特有の課題があるはずなので、まずそれを深堀りすること。そのために同じ志を持つメンバーを集めて一緒に課題を探すことが大きな初めの一歩です。”
”2つ目は、D&Iを推進しようとすると社内のさまざまな人からフィードバックがあり、時には辛辣なコメントもあります。その負荷で参ってしまうかもしれないので、D&Iを推進しようとする人たちの心と体のWell-being(ウェルビーイング)を一番に考えていただきたいと思います。”
引用:https://www.businessinsider.jp/post-243699
草の根活動から始めるー
本当にそうだと思います。自社の組織を知る、経営層を巻き込む、1人1人の
認識を変える、地道な対話も必要です。
D&Iとは、“多様な人材を活かし、その能力が発揮できるようにする取り組み”を意味しますが、単に会社において人材の多様性を高めることだけを目的とするのではなく、その多様な人材が能力を発揮できる組織風土づくりを行うことまで含めた概念として、ダイバーシティ&インクルージョンという言葉が使われています。
女性活躍推進の先にD&Iの世界があると思っていますが、要はD&Iはゴールではなく”取り組み”を示しており、本来この取り組みに定量的なKPIなど無いのです。
私たちは、会社の経営を、働きがいを良くするために、この地道な草の根活動をし続ける必要があるのです。