なぜコンサルタントは嫌われるのか
職業を伝えるのが嫌になった時期がある。
「コンサルタント?あー俺嫌い」
なんて面と向かって言われたりするからだ。
悲哀ーー。
こうもいきなり否定される職種もなかなかない。コンサルタントは相変わらず高学歴学生の「なりたい職業」上位に食い込んでいるそうだが、その実、世間からの扱いは酷かったりする。
なぜなのか?
◆嫉妬は5%かな
うーん、
そうだなぁ、
コンサルは就職市場の花形だから!
"嫉妬"が向けられるのだ!
、、、
なーんて本気で思えるほどには子どもではない。ってあれ?最近「M&Aはあこがれの対象だからって嫉妬すんな」なんて言ってる人を某サロンで見かけたようなまあ気のせいかな、っと、話を戻そう。まあ、嫉妬が0%とは思わないが、5%くらいじゃないだろうか。
じゃあ、ほかの要因は何か?
結論を言おう。
コンサルタントが嫌われるのは、
1.上から目線
2.結果を出さない
3.全身から出る胡散臭さ
の3つ+それに纏わる”誤解”だろう。
今回は「なぜ嫌われるのか」という命題のもと、コンサルタントの立ち位置について考えようと思う。コンサルという職種、いや人種に少しでも興味のある方は(本音を言うと全然なくても)最後までお付き合いいただきたい。
◆上から目線の謎
コンサルタントは上から目線ーー。うむ、これは様々な要因があるのだが、、、はっきりいって、
実際に上から目線な奴、多いよな?笑
同僚にも「君、大丈夫かい?」って大勘違い野郎がいたし、私も周りからそう見られていることもあるだろう。
なぜそうなるのか?
第一の要因はこれだ。
1) コンサルファームに蔓延する「選民思想」
高学歴、その中でも選ばれしものたちが集う高IQ集団!この勘違いイメージに酔いしれる者の多いことよ。特に若手。社内でどれだけボロカスに言われていても、合コンではイケイケなんだろうな、よかったなお前、、、ってのがまぁいるいる、いるね。
ただし、これはまともに活躍していけば、入社して数年のうちに大きな挫折や伸び悩む時期にぶち当たり、謙虚になっていくものだ。まあ、どの職種でもそうだろ?入社2-3年目って、イキり絶好調じゃないか?そういうもんなんだよ、温かい目で見守ってやってくれ。
もう一つの要因は
2) 上から目線にとられやすい仕事内容
これはクライアント企業内部の話だ。
よく知らないコンサルタントがやってきて、よくわからない改革をされた、なんだよあいつら上から目線でよお?ってやつだ。
わかる。
わかるが言わせてくれ。
決めたのは、御社の社長、役員なんだ、、、
改革決断後にコンサルは実行面の支援に入ることが多いのだが、なぜかわかるか? "嫌われ者"が必要だからだ。もちろん最大限、現場の理解を得るために低姿勢で努力するが努力が報われることは少ない。そんなこと、君の上司はやりたくないのだ。
もっと言うと、「俺が言うと角がたつからコンサルから言ってくれ」なんてパターンも多々ある。リストラ系、他の役員の案件をつぶす、などが代表例か。嫌われ者になってくれ、金は払うから。もうここまでくると"なんでも屋"の世界だ。
あ、念のため。
現場に対し本気で上から目線のやつもいる。勘違いコンサルだ。全力で叩きのめしてもらって構わない。
◆結果を出さないの謎
これも根が深い問題なんだが、大きな要因は
1) 報酬体系
だろう。
コンサル契約で多く用いられるのは、どのコンサルタントをどれだけ稼働させるか、といった稼働ベースの報酬体系だ。提案段階でコミットメントを記載はするが、明確に業績の向上までを約束するものは少ない。最近では成果報酬型の契約も増えてきたが、よっぽどでない限りリスクをとらないのがコンサルタントという人種だ。
もう一つは、
2) 現場には見えない結果
が多いことだろう。
企業の戦略策定支援や市場分析といった業務内容だと、経営層の頭が整理され満足して終了、、、なんてのもある。そこで契約が終了すれば、我々の役目は終わる。現場からしたら「何しに来たんだ?」だろうが、我々からしたら「頼まれた仕事をご満足いける形で納品いたしました!」となる。
この溝は大きい。
さらに言おう。
本来は頭の整理された経営層がキレッキレの判断をくだし業績向上、となるはず。そうだろ? だが現実は違う。
「なるほど!さすがの分析!」と言われた後、「でもまー社内が煩いから現状維持で」となるプロジェクトは極めて多いのだ。数百万円、数千万円突っ込んでおいてだ。だから現場の気持ちも少しわかる。
あの必死の検討は何だった?
毎週の定例会議は何だった?
我々も心が折れそうになるのだから。
さらにさらに言うぞ!
3) コンサルの間違った使い方
多すぎやしないか?
例えばこんな経験がある。
戦略策定支援を約束し入った某大企業で、役員兼営業部長に「こんだけコンサル料払うんだから、売上あげてくれるんですよねぇ!」と恫喝された。これだけ役員報酬もらっていて、売上あげなくてもクビにならず君は結構なご身分だな、と一気に白けた。
コンサルは何でも要望をかなえてくれる魔法の人材ではない。
業績向上に足りていないものは何か、市場の分析か、人的ネットワークか、政策への食い込みなのか、はたまた何が足りていないかを分析してほしいのか? 一体何をしてほしいのか。
目的もないままに依頼するクライアントは非常に多いのだ。
そんな仕事を受けるコンサルも悪い。本来はクライアントの真のニーズを提案段階で探り当てるのもコンサルの仕事だ。だが、そろそろ賢いコンサルの使い方も身に着けてほしい。
◆胡散臭いの謎
さて、最後はお待ちかね。
コンサル=胡散臭い説
そうだな、コンサルとは恋愛コンサルから脱社畜コンサルまで、なんでもつけりゃいいってもんじゃないんだぞ状態に陥っている言葉だからな。とはいえ、戦略コンサルに限ってみても、まあ分かる。胡散臭いって思われるのも仕方ないよな、、、
まずだ、コンサルを揶揄するときの古典ともなっている
1) 横文字使い過ぎ問題
なのだが、、、事実だ。いま社内会議の様子を脳内再生したが、事実過ぎて思わず噴き出した。客観的になると頭の危ないやつらにしか見えない。
カタカナが多すぎて、何を言っているかわからないーー。これは新人が直面する試練なのだが、恐ろしいことに数か月で
「あ、そのロジックだとメークセンスしないですね」
などと言いだしたりする。うはっ。恐るべき洗脳だ。
言い訳をすると、海外大学院卒が多く英語で必要な単語を覚えてしまっているため横文字になりがちというのはある。だが、好んで横文字に飛び込んでいく風潮は否めない。
私はクライアントの前では極力使わないようにしている。Noteの記事でもだ。しかし、同僚にはクライアントの前どころか、飲み会だろうが合コンだろうが同じ調子で話すツワモノもいる。
一言で言うと、胡散臭い。
2) オフも仕事のノリ
次に、コンサルタントの悲しいサガをお伝えしよう。意識高いの頂点のような集団であるコンサルタントはやたら本を読む。経営者の伝記も、自己啓発本もやたら読む。人生の目的とは、仕事の目的とはーー。さらに上司からは「視座を高く持て」と何かにつけて言われるのだ。
さらに多忙ゆえか、オンオフの切り替えをしない者が非常に多い。つまり、この意識高い系の極みのような状態でオフを過ごしてしまうのだ。
そして残念なことに彼氏彼女にも同じ調子で話をする者の多いことよ。彼女が「今日上司に怒られて-」と言っているのにいきなり「自己責任論」を持ち出す、「この服かわいいよね?」と言っているのに繊維企業の戦略論を持ち出す。
この辺りも、最初に述べた「選民思想」が深く影響しているのだろう。周囲から見たら、胡散臭いというか気持ち悪いんだけどな?
対処方法は、あまりない。
しかし、これまた歳を重ねるにつれ、オンオフの切り替えがバシッと決められるようになってくる者が多い。さらに客観的に自分を見つめなおし「うっわ、きもwww」と気が付く者も多い。パートナーがコンサルタントで悩んでいる方は、パートナー変更または歳を重ねる、この2択しかないだろう。
頑張ってくれ。
そんなわけで繰り返す。
コンサルタントが嫌われるのは、
1.上から目線
2.結果を出さない
3.全身から出る胡散臭さ
の3つおよび、仕事柄いたしかたない”誤解”によるものだ。もしもコンサルなりたてでイケイケ気分の方がいたらぜひ参考にしていただきたい。
嫌われないに越したことはないのだから。
以上、書きたいように書きなぐったが、いかがだっただろうか?
コンサル嫌われ原因を通じて、コンサルの業務内容と生態を理解していただければ幸いである。わずかながら存在する誤解も解ければこれまた幸いだ。
今回記載したのはごく一部の事例だ。コンサルにも様々な系統が存在している。これについてはまた考察記事を書ければと思っている。
それでは最後に、
コンサルは嫌いになっても
ヒルズ氏は嫌いにならないでください!
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