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カレー参道に名店大集合!千代田町インドフェスタ2024

「鶴舞うかたちの群馬県」(少なくとも県民はそう思い込んでいる)の、細~い首に位置する千代田町。

県民以外にはあまり理解されないが、首は下です


細~い首の部分なので、栃木県にも埼玉県にも隣接していて、車で30分も走ればすぐ県外。
群馬県でも、新潟や長野ではなく東京方面と行き来しやすい町です。

ところが、東京につながる「埼玉側」とは利根川で隔てられています。
車で少しいけば、埼玉県行田市とつながる「利根大堰」、群馬県太田市と埼玉県熊谷市妻沼町をつなげる「刀水橋」があるのですが、車がない人はどうすればいいのか?
そこで活躍しているのが「赤岩の渡し」。なんと、船です。


自転車も載せてくれるこの船は、「水上県道」という扱いで、運賃無料。
群馬県側で待機している船頭さんに声をかけるか、埼玉側から乗る場合は幸せの黄色いハンカチならぬ黄色い旗を自力で上げて船頭さんを呼びます。

赤岩渡船場の周りは水深があり、江戸時代には交通の要として賑わっていたそうで、当時の様子がわかる掲示板もあります。

昔は宿場町


今は休日にグライダーや水上バイクを楽しむ人で賑わう他は、農地&静かな住宅街という印象ですが、この週末は違います!
昨年大好評だった北関東最大級のインドフェスタが、満を持して今年も開催されるからです!

初日となる10月27日は衆院選と重なり、朝イチで投票を済ませた友人3名と河川敷駐車場に集合。カレーフェス開始は11時だけど、9時に集合。
まだ係員さんと水上バイクのおにいさんたちしかいませんでしたが、我々は知っている……カレー参道が修羅の道と化すことを……!

「カレー参道」というのもここだけの用語かもしれませんが、会場となる光恩寺さんの参道のことです。
我々地元民は、やれ花火だ(千代田の川施餓鬼)、やれバーベキューだ(施設のあるなかざと公園がある)、やれカフェ巡りだ(渡船場近くのHIRAKU COFFEEさんのコーヒーは、コーヒー嫌いも驚く美味しさ~ナツミ友人調べ)としょっちゅう千代田町にお邪魔しています。

光恩寺さんは佇まい美しく、桜、蓮、曼珠沙華、竹林と四季の恵みに溢れ敷地もゆったり、どことなくスタイリッシュな雰囲気で、なんとなく立ち寄ってしまうお寺なんですが、今日ばかりは「参道が狭ぇんだよ……」と黒い邪念を抱かざるを得ない。
なぜなら、おいしいカレー屋さんのキッチンカーがぎっちり立ち並ぶから……!
その隙間を埋めるように、カレーを求める人々がみっしり行列するから……!

公式Instagramより

元気に挨拶してくれる係員さん(町役場の人だろうか、商工会だろうか。どっちにしても衆院選が入っちゃって大変だったろうな……※)とお話しながら、河川敷からぶらぶら歩いてくると、まだまだカレー屋さんたちは設営の真っ最中。
境内に入って、静かに強く響くタブラの演奏を聴きながら涅槃仏を拝んだり、竹林の竹を利用したジャングルジムやブランコに感心したり、インド雑貨のお店でお皿やバッグに見とれていたらだんだん人が増えてきて、気づけば参道は人でいっぱい。

10時半頃並び始めて、(運営がカレーフェス開始を15分早めてくれたにも関わらず)お目当てのカレーをゲットするまでに約1時間かかりました!

境内に戻って、ステージを眺めながらカレーを堪能。

この日友人たちと手分けして入手したカレーは

・and CURRYさんの「さつまいものクートゥ(豆とココナツのカレー)」
・curry&noble強い女さんの「無水チキンカレー」
・東京カリ〜番長 リーダーさんの「二種盛りスパイスカレー」
・HURRY CURRYさんの「旨辛坦々スパイスカレー(+追い白髪ねぎ)

優しい味、がっつり味、王道、変化球と揃っていて、うまいうまいとあっという間に平らげてしまいました。
スパイスで気と肝機能が整った(って友人が言ってた)のか、もう一皿ずつくらい行ける気がしましたが、また並ぶ勇気はなかったので断念……
できることなら全店制覇したかったです。
クレープや、チャイやスパイス入りのジェラートもおいしそうだったな~。
インドの豆を使ったコーヒーの屋台からも、ずっといい匂いがしてました。

それにしても、綺麗なお寺の庭で、秋空の下カレーを食べる。なんて幸せな休日なんでしょう。
美しいサリーを着こなしている人もいっぱいいて(着付け体験サービスもあったそうです)、袖擦り合う人達とレジャーシートや椅子を分け合ったりして、若者も子どももお年寄りも、みんな楽しそう。大きな象のパペットがゆっくり練り歩いたり、インド舞踊や武術の奉納に歓声が上がったり、インド文化体験のブースではしゃいだり。

待機中のゾウさん。この後ちょっと晴れました


並んだ疲れなんてあっという間に忘れてしまうほど、あたたかい時間が流れていました。
ここがずっと千代田町を見守ってきたお寺だからかもしれませんし、この日を良い日にしようとする人たちの思いに触れていたからかもしれません。

ここに、江戸時代の赤岩宿の賑わいはもうないかもしれないけれど、住んでいる人たちがいて、場所を貸してくれる人がいて、お祭りを作ってくれる人たちがいて、それぞれの営みに真剣に取り組んでいる参加者たちがいて、興味を持って訪ねてくる人たちがいる。
わたしたちは、いくらでも素敵な日々を創っていくことができる。それを、今も昔も仏様が見守っていてくれる。
衆院選の日だったこともあり、そんな思いを噛み締めながらのんびりさせてもらいました。たぶん、友人たちも似たようなことを考えていたと思います。

実は、町民の念願だった、埼玉県側とつながる新しい橋の建設が決まっています。実現したら、赤岩渡船はなくなってしまうようです。
とっくに成人して車を乗り回している私達も、この日は帰りがけに船に乗ってみました。
水上バイクの人たちが一日の仕上げとばかりにエンジン全開でぐるぐる回り始め、利根川とは思えぬ荒波に爆笑しながら、私達の気持ちは明るかった。
楽しい休日が終わって、明日は仕事。今夜の選挙速報にはさっそく心を乱されるかもしれませんが、とりあえず、来年のインドフェスタという楽しみがある。
仕事の愚痴でも将来の不安でもなく、
「インド刺繍リボンのお守り、来年も売って欲しいな~!」
「インド映画の上映とかやってくれないかな~?」
「野外応援上映?いいねえ!利根川ナートゥとか(笑)」
「東京方面からも来てくれそう!駅からの交通手段が欲しいなあ」
などと、いっそお前らが運営しろ!と突っ込まれそうな、図々しくも愉しい未来の話をしていたのです。

この記事を読んで、「北関東のインド」が気になった方がいてくださったら嬉しいなあ。
インドフェスタ2025(きっと、あって欲しい……!)に向けて、公式のページをチェックしてくださいね~!

千代田町インドフェスタin光恩寺2024 | 赤岩山 光恩寺 公式ホームページ

※Xで公式アカウントさんが教えてくださったのですが、道案内含め、ほとんどすべての係員さんたちが地元を愛するボランティアの皆さまだったそうです!
こんな大人気イベントをまわしているのがボランティアの方々だったとは!
なんというBIG LOVE……
雰囲気の良さの理由がわかりました……!

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