見出し画像

プラスチック・スマートとは?|身近な環境への取り組みをわかりやすく解説

「プラスチック・スマート」とは、2018年から環境省が掲げているプラごみ削減への取り組みです。海洋汚染をはじめとしたプラスチックのごみを減らすために、個人、企業、自治体が連携して実践できる、大小さまざまなアクションを意味しています。
この記事では、2031年に創業100年を迎える東京新富町の紙製品メーカー・山櫻が、概念だけだとわかりにくいプラスチック・スマートという取り組みを、自治体や企業の事例を交えてわかりやすくご紹介します。


プラスチック・スマートとはなんですか?

ここからは、プラスチック・スマートについて、わかりやすく解説します。

プラスチック・スマートとは?

プラスチック・スマートとは、プラごみによる環境汚染対策のキャンペーンの名前です。2018年に環境省が立ち上げました。
プラごみ問題の解決に向けて、個人、自治体、NGO、企業、研究機関など組織を超えて人びとが連携して「プラスチックとの付き合い方」を考え直すという取り組みです。

プラスチック・スマート
【プラスチックスマート】美しい海や魚を守るのは、私たち

レジ袋有料化も、プラスチック・スマートのひとつ

身近な例としては、2020年から始まった買い物時のポリ袋有料化が挙げられます。
レジ袋チャレンジと題されたポリ袋削減の取り組みも、プラスチック・スマートの一貫だったのです。
日本経済総合研究センターの調査によると、有料化が始まってからたった8ヶ月で、レジ袋を使用しなくなった人の割合は、約30%から70%にまでに急増。効果が目に見えたアクションでした。

プラスチック・スマートがわかる「3つのR」

プラスチック・スマートは、使い捨てプラごみの削減、海洋プラスチック対策、リユース、リサイクル、ポイ捨て防止など幅広いアクションプランです。
そうした幅広い取り組みを理解しやすくするために、「3つのR」という枠組みで整理しています。

・Reduce(リデュース): マイボトル、マイバッグ、マイカップなどを使い、使い捨てプラスチック製品の使用を減らす
・Reuse(リユース): まだ使えるものは、人に譲ったり繰り返し使用したりして、ものを大切にする
・Recycle(リサイクル): プラスチック製品を捨てるときは適切に分別し、再資源化に協力する

こうした考え方は、SDGs(持続可能な開発目標)の目標14「海の豊かさを守ろう」の達成にもつながるものです。

自治体におけるプラスチック・スマートの事例

ここからは、自治体における事例を通して、わかりやすくご紹介しましょう。

東京都調布市・CHOFUプラスチック・スマートアクション

東京都調布市では、市民、事業者、行政が一体となってプラごみ削減に取り組む「CHOFU(調布)プラスチック・スマートアクション」を実施しています。
市役所内に設置されている自動販売機では、ペットペトルが販売されていません。職員は、マイボトル、マイバッグで登庁します。
市民に対しても、マイバッグ、マイボトルを持ち歩くことを推奨し、積極的にプラごみの減量に取り組んでいます。

東京都調布市・CHOFUプラスチック・スマートアクション

京都府・再生ペットボトルで西陣織

京都府は、愛媛県今治市において開催されたプラスチック・スマートシンポジウム2024のバネルディスカッションにも参加したプラスチック・スマートに積極的に取り組む自治体のひとつです。
京都では「廃棄されるペットボトルを使って西陣織を制作する」という取り組みを実施しています。ペットボトルから作られた繊維を西陣織として再生させるというのです。
この織物は身につけるだけでなく、車の内装など幅広い用途が期待されています。
プラスチック・スマートが掲げる「3つのR」のひとつであるReuse(リユース)と、京都の伝統的な地場産業を組み合わせたユニークな挑戦といえるでしょう。

西陣織で表現した再生ペットボトル繊維織物・リペリック(R)の発表会に行ってきました!

企業におけるプラスチック・スマートの事例

ここからは企業の取り組み、紙製品メーカー山櫻の事例をご紹介します。

山櫻・紙製クッション封筒

山櫻は、日本で初めて再生紙を使った名刺を販売した紙製品メーカーで
環境に対する意識が高い企業なんです!
同社が提供する「紙Net封筒」は、プラスチック製の気泡緩衝材の代わりに紙製の緩衝材が入った封筒であり、プラスチック・スマートに登録された製品のなかで注目を集めています。
封筒の内部に紙製のネットがメッシュ状に張り巡らされており、これが封筒の中身のクッション材となる仕組みです。

プラスチック・スマート
プラスチック・スマート

この封筒で使われている紙は、FSC®認証製品として認められています。FSC®認証(Forest Stewardship Council)とは、厳しい基準のもとで適切に管理された森林から生産・加工された製品として、つまり環境に優しい製品として認められたことを意味します。
FSC認証を受けた製品を選択することは、適切な森林管理を行う事業者を支援し、引いては世界全体の森林保全へつながると言われています。

環境にやさしいばかりではなく、紙製品ならではのメリットもあります。
ひとつは、省スペース。クッション封筒と比べると、約3分の1の厚さしかありません。
また通常のクッション封筒では、プラスチック部分と紙製品部分を分別して廃棄する必要がありますが、この封筒であれば、燃えるゴミに一括で廃棄できるという利便性もあります。

弊社の環境に関する取り組みについては、こちらの記事もご覧ください。


「プラスチック・スマートとは?」まとめ

プラスチック・スマートとは?
プラごみ問題の解決に向けた個人、企業、自治体を超えた取り組み
自治体におけるプラスチック・スマートの事例
市職員にマイボトル、マイバッグを推奨
再生ペットボトルで、伝統産業である西陣織を制作
企業におけるプラスチック・スマートの取り組み
紙製緩衝材入リ封筒で、利便性と環境への優しさを実現

SOREALでは、紙製のクッション材を使用した環境にやさしい封筒を提供しています。
詳しくはこちら


この記事が参加している募集