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2024年のお話-op.2 戯曲を音読する

最初に

3年目のはじまり

今年で3年目になる「戯曲ってなぁに?」
今年の初めては、これまで参加してくれた方からぜひやりましょう、と発表会から始まりました。選書は参加者から「ワーニャ叔父さん」。
映画のドライブ・マイ・カーから戯曲に興味を持った人もいて、やっぱり影響力が大きかったです。
発表会といってもほぼ公開ワークショップ状態で、これまでとの違いは読む場所を伝えておいて、読んできてもらっておくことでした。
普段通りをみてもらう。やっぱり違ってくる感覚がありました。

「戯曲ってなぁに?」という会

ふと、声に出して読むために書かれた本って「戯曲本」だけじゃないかしら?というところから始まって、戯曲を声に出して読んだことある日本人ってどれだけいるんだろうと、本屋ルヌガンガさんと一緒に立ち上げた企画でした。
本が貴重だったころは、聖書とか、物語とかも声に出して読んで文字が読めない人に聞かせるために書かれていたので、本を読む=音読が一般的だったんだけど、黙読の文化が生まれてからは声に出して読まなくなった。
この会の戯曲本は「ひとりでも読めるけど、みんなで声に出したらもっと面白い本」ということで集まってもらった。

お約束

日本語が音読できるひとならだれでも参加オッケーです。
・漢字を読み間違えても気にしない。
・感情を入れなくてもいい、だしたくなったらしてもいい
・ト書きも読む。
お約束はたいていこの3つでした。

選書は大変

「戯曲本」現在出版されているもので、入手しやすかったり安価なものはかなり限られる(特に日本は)という現実にくらくらしながら毎回選書していました。重版とかなかなかかからないし、絶版とか、青空文庫とかになっている。今手元にある戯曲本はほんとうに希少なのだなと、改めて大切にしようと思いました。お持ちのみなさまも大切に。(いらなくなったらぜひ古本屋へ)

1年目は超有名戯曲たち。2年目は様々な国の戯曲作家さん。
そして、3年目の今年は日本人作家さん。
という流れでした

2024年にやったこと

日本作家の戯曲


今年選んだのはこちらの作品でした。
・ポランの広場 宮沢賢治
・新ハムレット 太宰治
・季節のない街 宮藤官九郎
・片付けたい女たち 永井愛

以上4冊はどれも現在入手可能です

定期的に参加してくださる人が増えてきたので、ポランの広場は小説版と戯曲版読み比べました。
太宰さんは戯曲をわざわざ小説にして、それが長編作品の1作目だったということに興味を持って読んでみました。
シナリオは参加者からの要望でやってみました。戯曲と全く勝手が違うことに戸惑いが隠せなかった。
そして最後は、女性戯曲作家さんということで。
そのカテゴライズは良くないと知りつつ、だけどどうしても最後に選びました。戯曲に出てくる人と同年代の参加者が多かったので、共感できることとか、人物像などが浮かび上がってくる回になりました。

まとめがわりに

最後に、最近朗読会が流行っているというテーマで、最終回が新聞の取材を受けることになりました。(リンク貼りますが、有料です)

そこで驚いたことがひとつ。
一般の人がこの集まりを客観的に見ていたら、「演技している」と受け取られるということ。やっている本人たちは、ただ音読しているだけで、役を割り振ってもないし、順番に回し読みしているだけでも。
声に出すだけで演技に見える戯曲マジック。
やっぱり生きた言葉が書かれてある戯曲には、言葉だけでそう思わせる力があることを実感しました。

私は戯曲の音読会がしっくりきていたけど、朗読会ではないし、新聞では体験会だった。
やっぱり、戯曲ってなぁに?という人に向けたワークショップだったんですね。
あと戯曲読むのも初めての方から感想で、「ただの文字が生きた言葉に蘇生していくのを感じた」というご意見があって、そんな感覚を得てもらえていたらいいなと思いました。

何回やっても楽しい

何回やっても楽しいのは何故かというと、人が変わるから。そして、自分じゃない他の人の言葉を口にする機会は、そんなにないから。
誰かと本を通して繋がることができるって、シャイな日本人にもってこいだと思います。

そして本のこと

終わってからしばらくして気づいたことがひとつ。
本屋ルヌガンガさんのこの会に参加してくださった人たちはどなたも読解力が群を抜いていました。初心者向けの企画だったけど、毎回課題本を読んで、読解して来られるかたは、深く読み解くことができるので、私も学ぶことが多くありました。
やはり普段から本を読み慣れている人は違います。
これからも読書文化は大切にしていきたいですね。
高松にはルヌガンガさんだけじゃなくって、いろんな新書、古本屋があるので、ふらっと遊びにきた時はぜひ本屋さん巡りしてみてください。
おそらく、面白い人にも会えます。
「香川BOOK遍路MAP」というのがあるのだけど、今手元にないので、こちらもまた検索してみてください。google mapで本屋、古本屋で検索しても結構出てきます。

今年で定期開催は終わりますが、単発とか、また何かの機会にまたどこか別の場所でもやれるといいなと思います。
古本屋で1冊の本を回し読みとか、ただただ大声出して本を読むとかして遊んでみたい。

2月7日
戯曲ってなぁに?発表会「ワーニャ伯父さん」
 
戯曲ってなぁに? 日本の戯曲
 3月6日 ポランの広場 宮沢賢治
 5月1日 新ハムレット 太宰治
 8月7日 季節のない街 宮藤官九郎
 11月2日 片付けたい女たち 永井愛

つづく





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chirico kaworu
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