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その10分をケチるな

私は、職場である空港に車で通勤しています。

家を出てから海岸沿いに車を走らせ、滑走路の下をくぐるトンネルを抜けて社員用の駐車場に車を止め、そこから徒歩かシャトルバスでターミナルまで歩き、二階に上がってフライトプランを立てる部屋に着くまで、きっかり30分かかります。

そのため、家を出勤時間の40分前に出るようにしています。一本道で、車を運転している時間は15分と短く、ほとんどの場合、家を出て計ったように30分でプランニングルームの前に着くので、私は毎回10分を「捨てて」いることになります。

そうすると、そのうち慣れてきてだんだん「30分前でもいいかな」と思ってしまいがちです。しかし、その10分を渋ってギリギリの時間まで家にいたら、何かあったときに遅刻してしまいます。一方で、やりすぎると本当に無駄が多くなってしまいます。よく「5分前行動」なんていますが、個人的にちょうどいいのが「10分前行動」かなと思っています。

もちろん、10分のバッファでは足りないときは、20分でも30分でも上乗せすればいいでしょう。

10分余裕があると、たいていのことが吸収できるからです。前の車がちんたら走っていても 想定外の工事が行われていても 全く焦ったり苛立ったりすることなく、人に道を譲り、ゆっくりと車を運転することができます。5分だと、小規模な遅れが1回だけ吸収できますが、そのあとはもう余裕がありません。保険にたとえて言えば、5分は自賠責、10分は任意保険みたいなものでしょうか。

しかし、あらゆる場面で自分が見積もった必要時間(この場合は通勤に30分かかる)に対して「常に」10分上乗せして行動できているかというと、そうは言いきれません。おそらく、なんだか時間の無駄をしてるように感じるのでしょう、ついギリギリまで待ってしまいがちです。

しかし、ギリギリで行動するのは保険を一切かけずに車に乗るようなものです。保険料をケチって事故を起こしたらまずいのが分かっているので、皆保険に入るのだから、人生のあらゆる場面で保険を10分だけかけておけば、たいていの想定外には対処できます。

運航で大事なバッファをもつ意識

これは飛行機のオペレーションにも 言えることです。 

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