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Pilot's note NZ在住Ashの飛行士論

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NZ在住のパイロットAshによる飛行士論です。パイロットの就職、海外への転職、訓練のこと、海外エアラインの運航の舞台裏などを、主に個人的な経験に基づいて事実と意見を織り交ぜ、毎回…
自分が訓練生だった時に、こんなレポートがあったらよかったな!と思えるような内容を意識しています。自…
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2020年12月の記事一覧

雲と揺れの話~パイロットの空のミカタ~

飛行機のコクピットに座っていると、地上からは同じ場所にあるように見える雲が、実際にはかなりの高度差を持っていることに気が付きます。 下に層積雲、上に巻雲の亜種が見えます。形も高さも質感も全然違うのが分かると思います。 「洗濯板」でわかる雲のできかた 高積雲(羊雲)と呼ばれる雲です。 並んでいる羊、縞模様、あるいは「洗濯板」など、いろんな形に見えますが、これは気流が波打っていることを示しています。洗濯板でいえば、洗濯物をこする方向(シマシマと直角の方向)に気流が流れてい

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その10分をケチるな

私は、職場である空港に車で通勤しています。 家を出てから海岸沿いに車を走らせ、滑走路の下をくぐるトンネルを抜けて社員用の駐車場に車を止め、そこから徒歩かシャトルバスでターミナルまで歩き、二階に上がってフライトプランを立てる部屋に着くまで、きっかり30分かかります。 そのため、家を出勤時間の40分前に出るようにしています。一本道で、車を運転している時間は15分と短く、ほとんどの場合、家を出て計ったように30分でプランニングルームの前に着くので、私は毎回10分を「捨てて」いる

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今、パイロット訓練を始めるべきか否かに答えたら、哲学的になってしまった

先日、師匠と話をしているときに、パイロットになりたい若い人たちが、昨今の世相を受けて非常に悩んでいるという話題になりました。 私もたびたび相談を受けることがありますが、師匠のところにはそういう質問がひっきりなしに来るようです。私もかつて、自社養成に落ちて絶望していたところから海外への道を開いたのは師匠のHPを見たおかげでした。 だから、今、若い人たちがパイロットの歯がゆい思いは痛いほどわかります。私立大学のパイロットコースの学費は、2000万円もします。世相からみて今後数