社会不安症候群の私と支援施設(エッセイ)
動いていないと、不安で仕方がなかった。
不思議と動いていると不安が薄くなり、なんとかなるという気分になる。
仕事さえしていなければ、こんなにも気分が楽になるのか、と。いかにも駄目な無職の典型のようなことを考えている。
まだ、仕事をやめたばかりだ。クリニックの初診で、適応障害と診断されたのも、先週末。
その後すぐ会社にいけなくなり、辞めたのもつい先日。
行動力がすごいね!施設の人に言われた。
私は休養が必要な精神障害者。それなのに、未だに行動力があるなんて言われる。
私が向かったのは、家からそう遠くない、就労移行支援施設だ。
藁にもすがるとは、このことかと思う。
すぐに働ける自信なんて、ミジンコほどもなくなっていた。
かといって、専門学校に通うにしても、来年まで待たなければならない。
それまでに精神を病まない保証なんて、どこにある?いや、私はすでに病気だ。日中家に引きこもるなんて、息を殺すのと同じことだ。
辞めた日、家に帰ったあとの私は、不安と罪悪感と恐怖で動悸が止まらなくなった。
家の中にいると、窒息しそうだった。
頓服を飲んで外に出ると、不思議と息ができた。気持ちが上向きになった。頓服の効果は、正直全くわからないが(笑)
そうして、普段の元気を取り戻し、家族にも元気になったねと言われた。
就労移行支援施設は、全国に3千箇所?くらいあるらしい。
定員は20名ほど。福祉的なもので営利目的ではないため、少人数で営業しているらしかった。
精神障害、発達障害。主にこの2つだ。両方持ってる人も多いらしい。
適応障害の人間も、通える。
私が行った施設は、コミュニケーション力やセルフケアを主に学習するらしい。
人間の悩みの99%は人間関係だ。だから施設の方針は、正しいと私も思った。
少なくとも、私は施設の存在に救われた。最長2年間在籍できる。
ただ、私は適応障害であって、手帳がない。
障害者雇用はできない。健常者でもない。そんな中途半端な自分が、堪らなく不安である。
あなたは普通だ。
そんなことはない。
学生時代も、ずっと人間関係に悩んでいた。人と関わるのが怖かった。
そんな話をしたら、もしかすると、私には、適応障害以外にも何かしらの障害があるのではないか、と言っていた。自分の特性を知ることもできる、そう言っていた。
だったら、良いのかもしれない。この生きづらさに名前がほしい。ずっと、そう思っていた。
私は、私を知りたい。
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