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食の風景「おせち2023」


私のおせち作りは黒豆を水に浸すところから始まります。

2022年は26日から仕込みを始めました。買ってきた新物の黒豆をガラゴロガラゴロと鍋に移して水を張ると、さあ、今年もいよいよ始まるなという気持ちになります。

事前に作成した仕込みの段取り表に則って、毎日少しずつ進めていきます。そして、年末無事仕事納めを迎えますと、翌日からおせち作りが本格化します。

29日のお台所の様子です。

お煮しめの干し椎茸と昆布。昆布は母の代から愛用しているキッチンバサミでカットします。
旨味担当ですからしっかり水に浸しておきます。ラップをぴたりとつけておくと、軽い干し椎茸も全体が浸かって柔らかくなります。
紅白生酢を仕込んでいます。大根の千切り、張り切って沢山作っています。
人参も千切りにして大根と合わせ、水洗いの後水切りします。
酢、三温糖、塩少々で味付けて、こちらもぴたりとラップします。それをボールごとラップした図がこちらです。冷蔵庫で味をなじませると嵩が減って半分以下になります。

翌30日。まずは夕べ洗って水に浸しておいた2.8kg (2升)のもち米で、午前中にお餅を作ります。

我が家は手で丸める方式なので、こうしてざるに並べ表裏を入れ替えながら乾かします。

その後いよいよおせち作りが本格化します。お煮しめの具がいくつもの鍋に分けて作られ、冷ます間にテーブルの上へ所狭しと並ぶ様子は壮観なのですが、やんごとなき理由から今回は写真撮影できませんでした。かろうじて撮ったのは、初めて作った田作りです。お気に入りのカタクチイワシのいりこで作りました。白ごまをふって仕上げています。

左奥にちらりと見えるのは竹の子の梅肉和えです。だしの素、塩、ほぐした梅干しで味付けしたシンプルなもので、かつお節を和えて完成させます。

この日は他に海老の酒炒り、金平ごぼう等を作りました。出来上がった料理はこうしてタッパーに収まります。この後年に一度、冷蔵庫内がいっぱいになります。

大晦日、31日。おせち作り最終日です。
紅白かまぼこ、伊達巻、くだものなどはこの日に切っておきます。刺身用のつま大根やお雑煮用の青菜なども洗って切って、明日盛り付けしやすいように準備します。作るものと言えば、だし巻き玉子でしょうか。

左は果物の盛り合わせ。右はつま大根とわさびの小皿にするスライス人参です。

夜、年越しそばを食べて、一年が終わりました

明けて元日のお台所。コンロの上ではお雑煮のお出汁を温めながら餅を焼き、カウンターではおせちを盛り付けます。

後は語るより今年のわが家のお雑煮とおせちを御覧頂く方がよろしいかと思います。それでは新年最初の

「いただきます」

蕎麦出汁で頂くお雑煮。
この祝袋はおそらく、亡ひいおばあさまのお手製。
夜は重箱に詰めてみました。

手ずから育てた里芋も、お煮しめでお役を果たしました。ほどよい甘さの黒豆はこだわりの一品です。酸味の効いた生酢、しょうゆ味の海老や金平、市販の伊達巻も紅白かまぼこもおいしいが揃っています。

一年のはじまりにおせち料理を頂く喜びを噛みしめながら、今年も「おいしい」にたくさん出会えますように、「食」の楽しさをたくさん伝えられますように、願うのでした。

「ごちそうさまでした」
                      文と料理と写真・いち






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