「後日譚」
部屋に連れて帰った菖蒲ですがね、あの晩一つ、二日目の夜にもう一つ、咲いたんですよ。ええ、私が部屋にいる間には咲かないでね、少し離れている隙に、咲いていたんですよ。あんまり悔しくて、二本目はと思って凝と観察していたんですがね、そうすると咲かないものでして、根競べでした。でも駄目ですね、翌朝みたら、咲いちまってるんだもの。負けやした。仕方ないから、庭から伸びすぎの山椒をこうぱちんと切って来て、一緒に記念撮影でさあ。まったく植物ってのは、面白い生きもんだねえ。
と、江戸っ子ふうにお届けしました、花瓶のその後でした。
因みに連れ帰った時はこうでした。
生け手の手腕でやんちゃにも慎ましやかにもなりますね。
こちらは墓参りにの折に折れてしまった二本を持ち帰って生けたもの。一週間を過ぎてまだ奇麗です。こちらにも庭から山椒を添えて。今回の記事のトップに使っています。よし、それじゃ執筆と仕事に戻ろうか。 いち
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