東京百景を読んでみて
場所には記憶が宿る
というのはほんとだなと実感した本でした。
又吉さんが感じた東京が表現されていて、自分もその場にいた感覚になりながらも、自分のその場所の記憶も思い起こされました。
元恋人と初デートで行った井の頭公園の思い出を何年ぶりに思い出しました。
だから何ということはなく、忘れていたことを思い出すことができて読みながら幸せでした。
ただ、池尻大橋の小さな部屋の話は大きく感情が動きました。自分が新卒の時に住んで働いていた街でもあり、東京という街の両面を表していました。
誰かと一緒に生きるということは難しく、大切な人に感謝を伝えることも難しい。
そのことに20代で気づくのは難しいけど、この難しさに20代で出会うことができた人は幸せなんだと思う。
これからも東京で生きていく中で、何度も読み返しながら、さまざまな感情が動くことを楽しんで暮らしたい。