美味礼賛
📗『美味礼讃』
ブリア-サヴァラン
1825
「生命がなければ宇宙もない。そして生きとし生けるものはみな養いをとる。」
🥗
ブリア-サヴァラン(1755〜1826)はフランスの政治家で美食家でもあった。いかなる学問芸術にも通じ、古代語はもちろん、ヨーロッパすべての国語をかたり、あらゆる学術用語を我が物としていた。フランスの有名な医者の多くと親交があり、かれ自ら解剖学者、化学者、天文学者、考古学者、特に文学者であった。詩も上手で作曲もできた。こういった人物が、あらゆる「蘊蓄」を傾けて、人類の幸福のために厨房の芸術について語ったのがこの「美味礼賛」である。美食の案内というより、むしろ食事にまつわる事柄について哲学的考察を進めてゆく随筆集である。このタイトル以来、「美味礼賛(びみらいさん)」という言葉は美食学や食道楽に関する著作物の題名として一般的に用いられるようになった。
🥗
味覚の生理学:第一部
感覚について・味覚について・美味学について・食欲について・食物一般について・
揚げ物の理論・渇きについて・飲料類について・世の終わりについて・グルマンディーズについて・グルマンについて・美食家判定機・食卓の快楽について・狩猟の中休み・休息について・眠りについて・夢について・食餌の休息時間睡眠および夢に及ぼす影響・肥満について・肥満症の予防と治療・やせすぎについて・断食について・消耗について・死について・料理術の哲学的歴史・料理店主について・本格的なグルマンディーズの実例・ブーケ
味覚の生理学:第二部
神父さんのオムレツ・肉汁入り炒り卵・国民的勝利・おゆすぎ・教授がいんちきにかかり将軍が敗北した話・鰻の御馳走・アスパラガス・・・・全1〜27まで。
「誰かを食事に招くということは、その人が自分の家にいる間じゅうその幸福を引き受けるということである。」