🖌デュマ 1848
ある日、青年アルマンは若い美貌の女性を見初める。椿のはなを身につけて「椿姫」とあだ名される社交界で評判の高級娼婦マグリットである。仲間を通じて紹介されるが、軽くあしらわれる。
二年後マグリットが胸の病を癒す旅から戻りアルマンと再会する。マグリットはアルマンを覚えていなかったが、アルマンは自分の恋心が少しも変わっていないことを打ち明ける。浮薄な人の情の世界に生きるマグリットは真の愛に目覚め、アルマンと互いの愛を捧げあう日々を過ごす。しかし、やがてことの次第はアルマンの父親の知るところとなり、父親は二人の愛は認めながらもマグリットに向かって、息子の将来のために身を引くことを求める・・・・。
📎娼婦でありながら心底には純情を保っていて、真の愛に目覚めるや、全てを投げ打ってそれに捧げるマグリットの愛情。この女性は作者の創り上げたフィクションではなく、椿姫と呼ばれた同じ境遇の女性、マリー・デュプレシスです。小説の中で讃えられている通りの美貌、気品、才知を兼ね備えていた女性。十八歳のデュマが一目見て恋に落ちた当の相手でした。
小説と同じく、彼女の生命を奪ったのも肺病でした。
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