霧のむこうのふしぎな町
霧のむこうのふしぎな町
「霧のむこうのふしぎな町」
柏葉幸子 1975
小学生六年生の上杉リナは、夏休みに初めて一人旅にでる。
「毎年長野に行くんだから、今年は霧の谷へ行ってみろ。」
と父親に勧められたのである。
風に飛ばされるピエロの傘を追いかけるうちに「霧の谷」の森を抜け、
洋館の建ち並ぶ外国のような通りにたどり着いた。
リナはピコット屋敷という下宿屋に泊まり、意地悪な婆さんに自分で働いて生活費を稼ぐように命じられる。
この不思議な街並みの正式名称は「霧の谷の町」。住人達が「気ちがい通り」と呼ぶ、魔法使いの子孫たちが暮らす町だった・・・・・。
この作品は典型的な「行きて帰りし物語」です。主人公の少女が不思議な世界での不思議な出来事を通して、自分の持つ力を発揮してゆく成長物語。
宮崎駿監督によるアニメ「千と千尋の神隠し」(2001)の「発想のきっかけ」となった作品です。
リナが働くのは本屋、食器屋、おもちゃ屋・・・・・。初めはべそをかいていたリナも不思議な仲間達に励まされて、自分らしく生き生きと働き出す。そしてリナの素直で率直な行動が住人達の心を開かせていく・・・・。
「あのう、霧の谷へはどういったらいいんですか?」
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