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#SF小説

蒼に響く声

蒼に響く声

 無機質な機械音がなって、僕は目を覚ました。
 ぼんやりとする頭がだんだんとはっきりしていくのを感じながら、「おはよう」とベッドの横にあるこじんまりとした机の上のモニターに声をかける。
「おはようございます」
 モニターからはすぐに滑らかな挨拶が返ってきて、続けざまに今日の日付・曜日・気温・酸素濃度を教えてくれた。外の気温は相変わらず十度を下回り、夏も間近であるというのに僕は分厚いセーターを着込む

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