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空寝ひつじ
2022年12月6日 20:08
「オジサン、ヒトゴロシってほんと?」 耳の穴が貫通する程に、蝉の声がうるさかったある夏の日。近所の子どもであろう、淡い青色の薄いTシャツを着た小学校中学年くらいの少年が俺に話しかけてきた。 俺の住処であるボロいアパートの部屋では、壊れたエアコンがガタガタと如何にも調子の悪そうな音を立てていた。スマホを見ると外の気温は三十度を超え、汗をかいて舌を出した簡単な人間のイラストが猛暑日を示している