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救急車が2台呼ばれた話。

一生忘れることはないだろう。

これは、私が高校3年生の時の話。
本当にあった話。


2015年7月15日。
当時、所属していたサッカー部は
公式戦にて惨敗を喫した。

監督は当然、怒りを露わにしていた。
怒り狂っていた。

そして、衝撃の一言を発した。
キャプテンを交代する。

我々一同は唖然。

そして、監督は続ける。
「お前らで新しいキャプテンを決めろ。」

しかし、暑さ・疲労などもあり、
あまり深く考えることができなかった。
そして後日、皆んなで話し合おう。
そのような結論に至った。

2015年7月17日。
1日間のOFFを挟み、練習が再開する。

監督は話した。
「なんでお前ら(3年)がグランドにいる?」

練習に参加させてもらえなかった。
てっきり、アホみたいに
走らされるのかと思っていたので
少しだけ意外ではあった。

そして、練習する下級生を横目に
3年生だけのミーティングが始まった。

キャプテンが話す。
俺は小山がいいと思う。

私は意外にも驚きはしなかった。
なぜなら、キャプテンは事前に
「シンドいからキャプテンを辞めたい。」
と、私に相談していたからだ。

このキャプテンが、”強い奴”
であることは皆が知っていたので、
キャプテンの重圧とはそれほどなのか。
と考えていた。

他の同期が続ける。
俺も小山がいいと思う。

覚悟は決めていた。

そして、
私はその日からキャプテンとなった。

その要旨を先生に伝えにいく。

「先生、キャプテンが決まりました。
 自分がやらせてもらいます。」

すると先生。
「練習はさせないからな。」

「!!??」

因果関係が見えてこなかった。

そんな中、
某JリーグのJr.ユース出身の奴が
ボイコットじみた行動を起こす。

「帰ってやろうぜ。」

内心、私も帰ってやりたかった。

しかし「できることやっていこうぜ。」
とだけ発言し、
私は校外へ走りに行ってしまった。

後にこの行動が
悲劇を呼ぶとは思わなかった。

走り終えた私が学校に戻ると、
同期達の姿が見当たらなかった。

「帰ったのかな。」
その様に解釈し、私も帰宅した。


帰宅してからシャワーを浴び、
冷房の効いた部屋でTVをみていた。

すると見覚えのある番号から
電話が掛かってきたのだ。

〇〇先生。

画面が見えた途端、嫌な予感がした。

恐る恐る電話にでる。

私「もしもし。小山です。」
先「おい!!!!クソキャプテン!!」
私「!!!!????」

流石に予想を上回ってきた。

先「お前ら本当にやばいよ!!!」

状況が読み込めない。

先「負けた後に練習もしないで、
  海で遊ぶんだ!お前ら!!あ??」

状況が読み込めない。

私「え、、、、どういう、、」
先「そのまんまの意味だよ!!」
 「お前らマジで明日覚えとけよ!!」

プープープー、、、、
電話が切れた。

「これは夢だ。そうに違いない。」
漫画でしか見たことのないセリフを
声に出して言ってみた。

そして、恐る恐る同期に電話をする。

夢じゃなかったぁぁぁぁあ。(笑)(笑)

同期の説明は以下の通りだ。
①帰宅ではなく、6人程で近くの海岸へ。
(幸いにも高校から海が近いので、
 浜でよく走らされていました。(笑))
②始めは、ガチで浜ダッシュ。
③暑さに耐え切れず、休憩。
④目の前に広がる大きな海。
⑤以前であれば、
 絶対にそんな事はしない前キャプテンが
 率先して、海へダイブ。
⑥他の同期も海へダイブ。
⑦先生到着。
⑧私に電話。

という流れだ。

⑦についての詳細を少々。

同期のブラジル人留学生が話す。
「せんせい!!せんせい!!」

海から、遠くを指刺し、叫ぶ。

他の同期は続ける。
「そんな訳ないだろ。(笑)」
「ブラジリアンジョークかて。(笑)」

留学生が目を背ける。

同期が、指刺された方に目を向けた瞬間
時が止まった感覚を味わったそうだ。

そして、
上裸のまま何かを言われ続けたらしい。

しかし、誰もその内容が
頭に入って来なかったみたいだ。

2015年7月18日。
僕ら同期は気がつくと海岸にいた。
そして先生監修の元、
地獄の様な走りが始まる。

普段から、かなり走らされていたので
ある程度のメニューは乗り越えることが
できた。

リハビリ中の同期が
親切に塩水を用意していた。
「それは違うだろ、、、」

皆がそう思っていたが、
誰も突っ込む元気などなかった。

そしてついに、最後のメニュー。

満身創痍の中、先生が私達に告げる。
「タイムを設ける。
 全員が入ったら終わり。」

光が見えた。

そして始まる、最後の走り。

「用意、スタート。」

覇気のないスタートだ。

私は幸いにも走れる部類であった。
後ろから悲鳴混じりの雄叫びが聞こえる。 

折り返し地点に、
トイプードルを連れて散歩に来ていた
老人の顔を今でも忘れない。

「この時間に散歩させんなや。。。
 犬が可愛そうやろ。。。」

そんな事を思いながら走る。

先頭集団がゴール。

カウントダウンが始まる。
「10・9・8.......」

小山ゴール。
「7・6・5.......」

後ろから奇声が聞こえる。
「4・3・2.......」

次の瞬間だった。

「飛べーーー!!!!っっ!!!」

私「!!??」
耳を疑った。

先にゴールした
イギリスからの帰国子女が叫んでいた。

私が後ろを振り返ると、
鈍足の同期が崩れ落ちていた。

“飛んだ”というより”崩れた”だ。

同期が高々と舞い上げた
砂埃から見えた指先は、
無情にもゴールラインを割ることはなかった。

先生が続ける。

「はいダメ〜〜〜。」

誰もゴールできなかった彼を
叱ることも罵ることもできなかった。

ただ一人、ペルー人キーパーを除いて。


それと同時にJr.ユース出身の彼と
チーム内で2番目に走れる男の2人が
あり得ない程ぐっだりしている様子を
先生が見つけた。

普段では見ない光景に、
流石の先生も焦りをみせた。

そして、先生が救急車を2台呼び、
2人は、鳴り響くサイレンと共に
病院へと運ばれていった。

そして、僕らの3日間戦争は終結した。


今でも高校の同期とは飲みに行く仲です。
その度に、この話を始めとする
思い出が沢山蘇ってきます。

今となっては
本当に笑えるいい思い出です。(笑)


ちなみに、
先生にはとても感謝しています。
現役中は、
「これ程までに人を嫌いになるのか。」
というくらい苦手でしたが。(笑)

勝利する事の難しさ”を
知っているからこそ
僕らに厳しく接してくださったのだと
引退してからことごとく気づかされました。
(少し遅い気もしますが。(笑))

4月から社会人になる私ですが、
高校時代の経験があれば
大抵のことを乗り越えられる。

そんな気がします。

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