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文芸部誌「うわごと」発足に際して
10年前、私たちは片田舎の中高生でした。
徳島の県立中高一貫校の片隅。
校舎2階の端っこにある文芸部室が私たちの活動場所。
「文芸部」という地味な部活の割に活動メインである文芸部誌の発行は毎月欠かさず締め切りがあり、部員が手作業で印刷製本をするという活発な部活でした。
文芸部誌の名前は「空言」。
「そらごと」と読みます。
この名前は私たちより随分前の代のいつかの先輩方がつけた名前みたいなので、どういう由来だったのかは分からないけど、言葉自体は「うそ」とか「偽りごと」という意味だそうです。
毎月一次創作の小説や自作の詩などを自分たちで作っては載せて、そんな「そらごと」を長い人では中高丸ごと6年間作り続けてきました。
そんな私たちは中学高校を卒業し、大学へ進学して、進学先も就いた仕事も住む場所もバラバラの道をおよそ10年過ごして今に至ります。
ずっと地元で暮らしている人、その一方で都会に出た人。
地元で働き始めた、院進した、中退した、仕事を辞めた、やりたいことのためにまた学校に行き始めた、新卒で働き出した。
恋人ができた、恋人と別れた、災害に遭った、休学した、地元に帰った、徹夜で卒論書いた、仕事で失敗した、いっぱい傷ついた、一緒にゲームした、遊びに行った、ふざけてすげー笑った、本気で怒った、心配し合った、夜通し喋った。
バラバラな進路な分、身近で言えないようなことを喋っても愚痴っても影響しないのがちょっとだけいいところ。
病める時も健やかなる時もなんとなくゆるく繋がっている。
そんなありふれた友達をもう10年以上もやっています。
埃っぽい部室にはもう帰れない10年経った大人の私たち。
思ったより大人じゃないし、子供でもないし、何より10年前にこんな大人になるの想像してたかな?っていう令和の私たち。
子供の「そらごと」ほどじゃないけど、大人の「うわごと」でも言っていたい昨今。
そんな世の中を泳いでいくための、私たちの新しいプラットフォームとしてこのオンライン文芸部誌「うわごと」を発足します。
発行発刊はしてないからあくまでも「発足」。
更新は毎週金曜、誰かが必ず投稿していきます。
本日の担当は南村杞憂。
この共有noteとしての“文芸部誌”のご挨拶をさせていただきました。
最後に、以下にこの文芸部の部員紹介を添えて初回の投稿は以上になります。
これからこの週末文芸部をどうぞよろしくお願いいたします。
【部員紹介】
南村杞憂(ナムラキユウ)
この記事の執筆者、別名義は本名のキムラユウナ。
教室に居場所がなかったので6年間文芸部一筋で過ごしてきた。
インキャの割に趣味がTinderとTikTok。
元文芸部長、多分今回も仕切ります。
Twitter @jocojocochijoco
Instagram @jocojocochijoco / @arimoshinaikoto
note https://note.mu/1110101
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イドバタゴロー
詩と絵の人。
現役文芸部員時代中高生ガールズにかなり人気を博していた。
Twitter @ido_gorou
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すいか
地元の文学賞現代詩部門でテッペン取った人。
先輩は早く印税で生活しましょう。
Twitter @namisite_tareka
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撲殺院阿修羅丸
最終兵器。基本的に未知数。
写真は本人曰くハンバーグ。
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まちやのこ
部員内最年少。
彼女もまた中高6年間を文芸部員として過ごした部員の一人で元部長でもある。
新卒で地元に帰ってきた。
執筆者:南村杞憂