杖はないけどペンはある
私は魔法少女の夢を見ることはできたが、手にできなかった子どもだ。
カードと杖を手にすることができず、タロットにときめきを覚えた。
魔法の力がこもった宝石の代わりは祖父母の家の砂利石の一等透明なものやとっておきのキラキラの折り紙を巻いた石だった。
あの子の家には日曜朝の魔法少女達のステッキがあった。私も同じものを持っていたが、それはお菓子売り場のおまけのもので、あの子のよりも小さく、シールの巻かれたそれはさらにチープさを際立たせた。
けれど今は違う。
私の杖は0.5のSARA