ハル

春の香りを感じて
懐かしさと旅立ちを覚え
この街を君と歩いた 少年の頃

懐かしさは 気だるい黄昏に変わり
旅立ちは 別れの悲しみだけが残った

記憶の薄れを待てずに
色褪せてゆく 二人の変化に耐えられずに
もがききれぬ 終わりのない痛み抱えて僕は
暗い部屋の壁に
何度も何度も 頭 叩きつけてた

不完全な封印を今更嘆いても
その術を僕は知らない

ここですべてを捨てて
何を取り戻せるというの?
ここですべてを悟り
何を真実にするべきなの?

ただ 君のいないこの場所に
ハルはやって来ない

遥か彼方の君へ ハルを贈りたい
遥か彼方の僕から ハルを奪いたい

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