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肝っ玉母ちゃんへの道

私のなりたい母親像は「肝っ玉母ちゃん」である。

どっしり構えて、ガハハと笑って、自分の子も人の子もまとめて世話して、
多少のことでは動じない。

そんな母ちゃんになりたいのだ。


最近、息子が仲良くしているお友達がいる。

乱暴で、いわゆる「要注意の問題児」とママさん界隈では噂の男の子。

息子がその子とよく遊んでいると知ってヒヤヒヤしていたが、
しばらく見守ることにした。

土曜日の朝にその子が家まで来てくれて、
まだパジャマ姿だった息子が大慌てで用意して二人で出掛けて行った。

息子の支度を待っていてくれるその子はとても礼儀正しく、
「問題児」と噂されていた以前とは見違えるほど落ち着いていた。
ちょっと感心してしまった。

お昼近くになって、オモチャを取りにいったん家に二人が帰って来たので
その子に「お昼ご飯はお家にあるの?」と聞いた。

実はその子のお家はちょっと複雑で、
私の夫は
「休日に近くのコンビニに行くといつもその子がいる。
ほとんど一日中コンビニの周りで一人で時間をつぶしているんじゃないだろうか?」
と話していた。
いわゆる「放置子」ギリギリなのかもしれない。
それを聞いて私も心配していた。

「お昼ご飯は…ゴニョゴニョ…」と
その子からはなんだか要領を得ない答えしか出てこなかった。
もしかしたら自分で買ってくるか、最悪、用意がないのかもしれない。

「じゃあ二人で一緒にうちで食べちゃいな!」と声をかけたら
その子の顔がパッと明るくなった。

二人の胃袋にチャーハンを詰め込んで、
「外でいっぱい遊んでおいで!」とまた送り出した。

「ごちそうさまでした!お邪魔しました!」と
大きな声で言ってもらって、嬉しかった。
こちらこそ、息子と遊んでくれてありがとう。

ほんのちょっとだけ、肝っ玉母ちゃんの気分になれた日だった。





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