見出し画像

キッズヘアスタイル注文の仕方を教えてください

幼少期、いつ髪の毛を切ったらいいものか悩んでいた。かなり伸びてきたので、ファーストカットで筆を作ろうかと近場を検索していたが、それどころじゃなかった。

おうちカットしようものなら動いて泣きわめき嫌だと主張するし、手に負えないとはこのことだ。できないのならお願いするしかない。お祖母ちゃんとか身内じゃだめだ。

昭和時代のように親の一方的な価値観で子どもを抑える、それは支配しているのと同じだと感じてきた私だからかもしれない。

ダメ親だと自分にダメ出ししてしまう。思った通りに子どもは動かない。だってロボットじゃないんだもの。言葉がまだ蓄積されておらず、自分の言葉が見つからない未発達な時なだけにギャン泣きは仕方ないと今なら思う。

私の余裕は子どもと接する余裕につながり、僕は他の人と話をする場面をあえて作る機会にしようと思った。というか思うようにした。

美容室で2時間ぐらい、リフレッシュする新しい自分にワクワクするような時間ではない。私はといえば取り急ぎ、身綺麗にするためのカット。

電車に乗って、一大イベントの僕のカット。
髪の毛を切って清々しい、カッコイイ、軽くなった等の心地よい感情が芽生えてくれたら嬉しい。それだけだ。

初めてのキッズカット。
カットの椅子に見立てた動かない車に乗る前から、ちょっとイヤイヤしていた。お店の人はこの状況に慣れているので、好きなDVDを流したり、プラレールを持ってきて遊んでくれて至れり尽くせり。

割高感は否めないが、背に腹は変えられない。
どうしたらいいものかと悩んでいた者からすれば、有難いサービスだ。10分間ぐらいでチョキチョキ。

大型のショッピングモール内にある店舗だが、近隣の店舗と合併するため閉店。しかも、各店舗ごとの会員登録となるとまた作成しないとならないので卒業とした。

さてどうするか。
座ってDVDを大人しく見ていられるようになったのて、子どもでも楽しくカットできるお店を選ん今も利用している。

小学生になり友達と関わる中、サッカーが上手くスポーツ万能で礼儀正しくてカッコイイ、リスペクトしている友達がいる。

「僕もあんな風になりたい。かっこよくなりたい」と思ったのだろう。髪の毛を伸ばすようになった僕は、もう切らなければならないほど伸び放題になっていた。

リスペクト友達のママさんにお会いした時「カットはどこでしていますか?」と聞いたところ、おうちカットではなく自分で美容師さんに希望する髪型を伝えているとのこと。

どんな髪型にしたいのかは、僕の頭の中にあるようだ。
言葉にできないから私からお店の人に伝えてというが、今回、事件が起きた。

前髪は目にかからず、全体を揃えるそろえるぐらいでというので、その通りにしたらイメージと違いすぎたようだ。その場では「これでいいです」と言ったものの、泣きながら帰宅。

「切りたくなかった。お母さんが言うからだー」何度も何度も言われてしまう。もう切ってしまったものは仕方がない。
髪の毛が早く伸びるように海苔を多めに食卓へ出す。

僕「学校行きたくない。」

私「そっか。行かなくてもいいけど、通知表の出欠欄は0になるんじゃないかな?」

僕「それは嫌だ。だって休まないで行けたからそれは絶対嫌だ。」

友達に「髪切った?」と言われるのが嫌でたまらないようだ。
復活日を約束して、学校以外の予定はキャンセルにした。

私が「友達でカッコイイ髪型の人がいたら、どんな感じに注文しているか聞いてみたら」と伝えるも、聞き入れられないぐらいな余裕のなさなので、そっとしておいた。

バーチャルフィットングをしてくれるメガネ店のように、キッズバーチャル髪型アプリとか無いのだろうか。また、語彙力を増やすために、好きな動画や選手の髪型について言語化していくしかないのか。どうしたものか。

時間が経つと少しは落ち着いたようで、知人から「髪の毛切ったらかっこいいよ!」と言われたことを切っ掛けに「髪切った写真を送って」と話してきた。パジャマ姿でピースをする僕。

小学校へ入学後、ランドセルに入っていた紙がある。

僕から僕へ

どんな気持ちで書いた言葉なのだろう。

変わることに怖さがあるのかもしれない。
ドキドキした緊張感が、ワクワクした楽しく嬉しい感じになれたらいいね。少しでも一歩前に進めたら、また違う僕に出会えると信じて。

いいなと思ったら応援しよう!

桜川空
記事をお読みいただき、ありがとうございます。サポートいただくのも嬉しく、推しの記事をシェアいただけると本当にありがたく存じます。

この記事が参加している募集