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未だ使う事の出来ないオリンパスXA

中古カメラウイルスに感染したのは、1990年代半ば。
赤瀬川原平氏や田中長徳氏の影響は、自分を形成する上で、特にカメラに関してはかなり大きい。

カメラの中でもコンパクトカメラ好きというのは、あまりいない。だから、中古カメラ屋でもあまり高い値が付いていなかったりする。ヤフーオークションでも、今人気のコンタックスT2などといったものは高値が付くが、実直なものほどそんなに高い値が付いていない。

そんな中で、本当にたまたま手に入れたものがあった。
オリンパスXA。
これも縁というしかないと思う。
職場で撮影する際、使うカメラがその時その時で違う事に気付かれた同僚がいた。
「カメラ、好きなんですか?」
肯定の返事を返したら、何日かしてオリンパスXAを持ってきて
「これ、整理していたら出てきたんです。古いカメラで使い方もわからないし、良かったらもらってください。」
そうして、やってきたカメラ。

もううれしくて仕方ない。
このカメラ、田中長徳氏の本でも出てきたし、フォトキナでのオリンパスの米谷氏との話がとても好きなエピソードとして記憶に残っている。

さて、カメラはというと、元の箱もある。
プラスチックの豪華でがっしりしたケース。
中にはXAとフラッシュのセット、それに説明書までが豪華なケースの中に入っていた。
「壊れているかもしれませんので、期待しないでください。」

家に持ち帰り、カメラを出して細かく見てみる。
フロントのカバーをスライドさせて、シャッターボタンを押すが、シャッターは切れない。電池がダメなのかなと思い、ボタン電池を入れてみると動く。絞りとISOをいじって何度もシャッターを切ると、シャッターの開く時間が変わる。AEは壊れてなさそうだ。
巻き上げも動いている。
裏蓋を空けてみると、ボロボロと黒いものがたくさん落ちてきた。モルトがボロボロになっていた。
このままでは使えない。ということで、そのまま時間が経ってしまった。
最近、モルトを購入して自分で張り替えることが出来る様になったので、この間のオリンパスペンEE-2に引き続き、こちらの方も手をつけた。

張り替えが終わり、いざフィルムを入れてみようとしたところ、フィルムを巻かない。シャッターを切って巻き上げをまわすが、フィルムを引っ張ることが出来ない。軸とフィルムホルダーが空回りしている。
なるほど、壊れている。
それで、使われなくなったんだろう。

このカメラを使う事が出来る様になるまでには、まだしばらく時間が掛かりそうだ。

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