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20220816 加古川線全線乗車〜篠山川と加古川

鉄道好きである。
小学校2年生の時に転校してきた友達に影響を受け、鉄道好きになった。

鉄道が好きになると、そこから派生して色々な事が気になり出す。
鉄道が引かれるということは、そこに某かの需要がある。
そうすると、その地域の産業やら地理に興味が湧き出てくる。
さらには、どうしてその地域がそうした産業で栄えることになったのか、人が住み着くことになったのかが気になり始める。
そうして、知的欲求は地理や地学へと向かうようになっていった。
その「好き」が高じて、大学では今の日本ではものすごくマイナーになってきている地学を専攻し、地質学を学んだ。

最近、大回り乗車なるものを知った。
鉄道に詳しいとは言え、どんな切符でどこに行けるのかと言うことに興味が無かった。
ところが、最近はYouTubeで安い切符でどこまで鉄道に乗ることが出来るのか?ということをチャレンジする人が居ることを知る。
その中で、関東圏や関西圏といった都市圏では、どんだけ大回りをしても経路や駅が重ならなければ最短距離の運賃でJRに乗車することの出来る制度があるということを知る。
ならばと、これを使ってこれまで乗車したことのなかったところを乗り継いでみたいと思うようになった。

一気に全線乗るということは流石にしんどい。
なので、色々と紹介されている線を細切れに乗って、少しずつ乗ることの出来る線を乗り通すことにチャレンジし始めた。
そんな中で、以前沿線に住んでいたにも関わらず、全線乗車をしたことのない加古川線に乗ってみたいと考えた。
経路は大阪→加古川→西脇市→谷川→篠山口→塚口である。

過去に加古川線に乗車したことがあるのは、かれこれ20年以上も前になる。
まだディーゼルカーだった。
1995年の震災後、バイパス路線として見直され電化されることになったが、昨今の過疎化、追い打ちをかけてコロコロウイルスの影響で本数は減ってしまっている。
なので、久々に時刻表を購入し、どうやって乗り継げば小さな旅がスムーズに行くのかを検討した。

加古川線はその名の通り、加古川に沿って走る。
地形的には三田盆地の西端に加古川は流れており、その加古川を何度も渡りながら走る線である。
下流域の加古川から見ると上流に向かって走って行き、ちょうど篠山川が合流する谷川が終点になっている。

新快速で加古川に到着
加古川線ホームに行くには、中間改札を通る必要がある
たまたまホームに2本の電車が
電車は2両編成の103系。古い電車をそれなりにリフレッシュして使っている。

加古川線には、昔はそれなりに使命が合ったと思われる。
沿線の青野ヶ原には、今でも自衛隊があるが、戦前からのものである。
そのため、人口が多くそれなりに平坦な加古川左岸を通るのではなく、わざわざ加古川と段丘崖の小さな隙間を通るルートを走っている。
これが、国道175号線と同じ様なルートを通っていたとしたら、現代において加古川線の役割というのはもっと変わっていたのかもしれない。

加古川線には盲腸線がいくつか接続していたが、国鉄時代に第三セクター化されたり、廃止されたりしている。
こうした盲腸線にもそれなりに役割があったのだが、道路網の発達やモータリゼーションの発展により鉄道から流れていったというのがあるのだろう。

電車は西脇市までで、そこから先は乗り換えることになる
ここまで乗ってきた電車は、折り返し加古川まで
昔はなかったのだが、駅前にバスロータリーが出来ていた。バスとの接続もはかられている様子。
跨線橋を渡り谷川行きに乗り込む。電車は、ここからの方が新しいもの。
車内はクロスシートで乗り心地はとても良かった。乗車しているのは自分も含めて8名ほど。

加古川から西脇市の間は、それなりに乗客がいた。それでも途中駅で乗ってくる人はほとんど居らず、全く乗降のない駅もいくつもあった。
基本的に加古川から西脇市へ向かう間に、乗客はドンドン減っていく一方。

西脇市で電車を降りると、半分以上が改札口へと向かう。
ここから先の電車に乗り換えたのは自分も入れて8名ほど。
谷川までの間は、どうやら線路の路盤が不安なところがあるのか、かなりスピードを落として走るところも何カ所かある。
何カ所かの駅で4人ほど降り、途中から一人乗ってきたので、谷川で降りたときは5人ほどが乗っていた。

それにしても、電車からの風景はとても良い。
西脇市を出てからすぐに加古川を渡るために、電車に乗っていると加古川は左側の車窓にずっと見える形になる。
最後に加古川に合流する篠山川を渡って、谷川に到着。

一番橋の小さなホームに到着
時刻表を見ると、本数は本当に少ない
駅でトイレを借りようとしたら駅の外にあるとのことで、一旦駅の外へ
ちょうど上下線とも電車が来るタイミングということもあり、それなりに人は居た
駅には、近くの名所案内が。こういうのって、ホントに何だか懐かしい感じがする

実は、加古川線を乗り通して、そのあと地図を調べて気付いたことがある。
ずっと、自分が思い違いをしていることがあったのだ。
それは、篠山川(というかこの川の存在を知らなかった)は猪名川水系だとばかり思い込んでいた。
篠山盆地から福知山線沿いにそのまま三田の方へと流れるとばかり思い込んでいた。
ところが、電車に乗って谷川で乗り換えたあと、福知山線沿いの川の流れを見て「?」が頭の中に出てきた。
この川の上流はどこだろう?
そして、深い渓谷を抜けて広がったのが篠山盆地。
篠山盆地から流れ出る川は渓谷を通り抜けて谷川で加古川に合流していたのだ。

15年ほど前に丹波竜といってティタノサウルスという恐竜の化石が見つかったときに、発見場所なども含めて博物館の先生方に教えてもらいに行ったことがある。
その際に、川と福知山線という組み合わせは覚えていたのだが、方向感覚について完全に失念していた。
車窓から丹波竜の幟がたくさん見え、観光資源にしている様子がたくさんある中で、当時の自分の思い違いに気付いた。

これは、もう一度現地を歩いてみたいなぁという気持ちになった。
渓谷中の篠山川の河床では、1億3500万年前の地層が露出していて、今でも貝の化石などが普通に採れる。
そんなことも含めて、出かけてみたい欲求に駆られている。

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