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【エッセイ】流氷には乗ってはいけません

去年の2月のこと。夫と網走市までドライブし、海辺のそばにあるドライブインの駐車場で休憩していた。ちょうどオホーツク海は流氷の季節。海一面が流氷に覆われ……という感じではなかったものの、海岸には流氷が流れ着いていた。

私たち夫婦は海に向かって車を停めて、簡単な昼食をとっていた。遠くに見える流氷の上に、何か動くものが見えた。私は目を凝らして、それを見つめた。



流氷の上を歩く人


よく見ると、流氷の上を二人の人が歩いている。↑この画像はその時に撮影したものだが、他にも2~3人歩いていたと思う。

基本的にオホーツクの人は「流氷の上に乗ったり、歩いてはいけない」と認識している。私は大人に注意を受けた記憶はないが、周りの大人が誰も流氷に乗ろうとしないので「あれは乗るものじゃない、遠くから見るものだ」とインプットされていく。

いや、私が覚えていないだけかもしれないな。多分、流氷の上に乗るなと指導は受けているのだろう。だから地元民としては、こうやって流氷の上を歩く人の神経がまったく理解できなかったりする(こんなこと書いてごめんね)。

流氷はその年の気候や海水温によって氷の厚さも変わってくるだろうし、海岸に接岸して時間が経っているものだと、気温で氷が薄くなっているものも多くあるだろう。「人が歩いても大丈夫」と安易に流氷に乗ったりすると、氷が割れて、海中に転落する危険性が出てくる。


接岸している流氷のあちこちには割れ目も見える


実際この時、一人で歩いている観光客が流氷の割れ目から見える海面のギリギリまで近づいている姿が確認できた。これは絶対危ないなと心配していた矢先、1台のパトカーがやってきて流氷の上にいた観光客達に拡声器で注意喚起をしていた。恐らくドライブインの関係者が通報したのだろう。

警察官が来てくれたお陰で、流氷の上にいた人たちは全員引き上げた。私もとりあえず安心した。恐らく警察官が帰ると、また観光客がやってきて乗ろうとするだろうけど。これで誤って転落したりしては大変だからね。冬の北海道なので、命に関わる事態に発生する可能性がある。

流氷が来るのは2月頃になるだろうが、もし網走や紋別、知床などに観光に行くことがあっても、絶対流氷の上に乗るのはダメよ。絶対に禁止。危ないから。

どうしても流氷とふれあいたい人は、網走や紋別で冬期間運行されている流氷観光船や流氷砕氷船に乗船することをお勧めする。船上から流氷を眺めることができる。

「やっぱり流氷の上を歩いてみたいわ」と思う人は、流氷の上を歩く体験コースに申し込んで、ガイドの指導の下に楽しんで欲しい。

本当に止めてね。「大丈夫そうだから」と、安易に流氷の上に乗るのは。


#冬の1コマ


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桐島彩
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