短歌集 アンスリウム
「辛くなったらいつでもおいで」そう笑う 貴方の目には同じ煌き
『健全か否か』で括ったその橋の 向こう側で今嘲笑う泥
深海に沈む女の手を引き上げて 地獄の炎 真の命
人の逃げ道否定するなら君だけの 幸せ全てこの手で壊そう
陽の光見れぬ明日も闇の中 翔んで短き命は蝋燭
紅色に染まる眼その前で 貴方の笑みと数多のシャッター
「大雨の日は綺麗だね」いつの日か その言葉すら大雨の中
さようなら 共に競った戦友に別れを告げて 今只一人
始まった あいつは後ろを向きもせず走っていった 俺はどうする?