ゴミ収集車大追跡
こんなところまでくるとは
町内の外れも外れ
わたしは車でぐるぐる回っていた
それは朝の9時半
ゴミ出すの忘れた
車で 町内ゴミ収集場所まで走る
そこにはもう ゴミはなかった
ここのゴミ収集場所は終わったら次はもう少し 南に行ったところだ
車で追いかけるがそこにもゴミはなかった
残念
隣の町まで行くか、明日なら必ず隣町には同じゴミが出てるはず
いや 明日忘れたら最悪だ
グルグル 頭を巡らせながら 私はついに 1キロ以上走った大通りで、ゴミ収集車を見つけるのだった
後ろに 私が目指すゴミの種類がもうこれ以上入りませんというくらい詰まってる
そうだ ここに私のゴミを投げ入れればそれで 任務は終了
この車を見失わないように後ろに着く
信号で止まるたび、走っていって前の車にゴミを投げ入れたくなる衝動をこらえる
何度も信号で振り払われそうになりなからも、必死でついていく
すぐに止まるはずのゴミ収集車は 延々とまた2キロ以上走るのだった
えっ❗どこまで行くんだろう
きたことのない町外れまできて気づく
いや これってもしかして ゴミ収集場所じゃなくて10キロ向こうのゴミ焼却場までいくのでは?
焦る
私に気づくことなくゴミ収集車は スピードを出していく
その時だった
住宅街を抜けた市民病院の角
止まった車の先、集積所にはゴミがまだ積まれていた
そのゴミをここで逃がしてはなるまいと 私は人の玄関先に構わず 車を止めるのだった
門から出てきた住人のおばあさんはびっくりした顔をするが ここで引き下がっては元の木阿弥陀
あっけにとられたおばあさんに、ちょこんと頭を下げ、ゴミを抱えて 10歩
「おじさん ゴミ受け取ってもらえますか」
「 いいよ 」
これで 私のゴミ収集車大追跡は終わったのだった