秋の夜長に、インディーゲームをしろ。
よく来たな。俺は、オズ=リンタロリアーノだ。毎日すごい量のゲームをプレイしているが、誰にも見せるつもりはない。
MEXICOの恵み、すなわち太陽が沈む時間も早まり、お前は昼間の恰好で外に出ることも敵わずそそくさと帰宅することだろう。とある記事に影響されたお前は紅茶を淹れ、さぞ得意げな顔をしているかもしれない。しかし、上記にもある通り紅茶とはメダリオン、秋の夜長という荒野には未だ心もとない祈りの一つに過ぎない。お前はそこでツイッタやソッシャゲのデイリーを惰性で消化し、秋の夜長に対して「何もしなかった」と寝床のぼろ布にくるまりながらつぶやき、サボテンに引っ掛かったまま朝を迎えることになる。
そこで今日はお前にいくつかの武器をプレゼントするとしよう。この夜の荒野を進むために力強い相棒となるはずだ。お前にPC用のインディーゲームを紹介することにする。手に取ることも、手に取らぬことも、自由だ。もしお前が用心深かったなら「インディーなどと謳うゲームは大抵、日本語では遊べないではないか」と叫ぶだろう。賢明だ。だが実際安心してほしい、ゲームの性質上日本語化出来ない一作品を除き、日本語で遊べるものを紹介している。紹介に含まれる動画は英語版(MEXICOでも通用するはずだ)を共有しているが、これはフォントを含めて公式からのメッセージ性を尊重するためであって、気取っているとか、俺がダニートレホの手先であるからと言った理由ではない。
まずPCとSteamアカウントを用意しろ
インディーゲームを遊ぶには、少々のハードルが存在する。PCと、Steamアカウント、そしてわずかばかりのの通貨だ。それさえ準備できているなら、恐れることは無い。コンビニ払い、プリペイドカードなど、クレジットカード以外の決済方法も豊富だ。また、各ゲームのタイトル紹介はSteamのストアページへのリンクとなっているが、私には一銭も入らない、気兼ねなくクリックしてほしい。
じっくりと、紅茶を飲みながら、だ。
初めに断っておく。この記事では、シューティングやアクションなどのゲームは紹介しない。つまりMEXICOの荒野を舞台としたオープンワールドをカウボーイニンジュツを駆使して悪を切り伏せるゲームは、この記事には紹介されていない。お前はFPSゲームや、オープンワールドを駆け巡るRPGなどをする時、紅茶を飲もうとするならば……CRAAAAASH!!覆水盆にカエラズ。したがって、今回俺が紹介するゲームは紅茶を飲みながら楽しむことが出来るものに限定する。アクションゲームなどは論外なので、まず紹介するのはアクションゲームだ。
説明不要の名作、そして世界初のサイバーパンクバーテンダーアクション。
このゲームはジャンルをサイバーパンクバーテンダーアクションという。近未来、ダイオードサイバー荒野でお前はカクテルを作り、カウンター越しに人々の生きざまを時に見守り、時に手助けし、時に友情、あるいはもっと違った何かを育む。
最大の特徴は、お前は会話選択肢を用いずに、カクテルの配合によってお前自身が物語へと関わっていく点だ。まだプレイしたことがないなら、是非この秋にプレイすべきだろう。PSstore、ニンテンドーオンラインでも販売中といつものバーでもっぱらの噂だ。ドロシー嬢には、適切な時にちょっと多めにカルモトリンをサービスすることが、荒野に生きながらにして紳士の心を忘れぬ男のためのアドバイスだ。
ノンアルコールを、深夜に。ようこそ、バリスタ。
『Coffee Talk』はシアトルで夜にだけ開店する喫茶店を舞台に、お前はバリスタとしてお客を迎える。エルフとサキュバスの痴話喧嘩、オーシャニックとオークの関係の芽生え、そして毎晩のように仕事を持ち込む常連の愚痴を聞きながら、ただ、世界を見守る。知らないメニューをリクエストされたなら、とにかく試すしかない。真の男なら恐れずに挑むことだ。大抵その試みは失敗に終わるが、荒野に生きる者の人生などそんなものだ。気にすることではない。ラテアートが上手く描けなくとも、それを「可愛いな」と評されても落ち込まず、そしてダブルバレル・ショットガンをカウンター下から引き出すことなく、また店を開けるのだ。
ここはメルンボルン、死者が24時間だけ留まることを許されたカフェ。
このゲームにおいて出来ることはただ一つ。物語を眺めること。小説を読むようにゲームをする、あるいはゲームをするように小説を読む、そんな『Necrobarista』は死についての哲学を追いかける物語だ。死はMEXICOの荒野において日常茶飯事ではあるが、オージーたちにとっても身近な関心事の一つである様だ。ドリトスを用意して臨むと良いだろう。死者は沈黙す、されど、死は雄弁なり、等ともいうが、この場所では死者は雄弁で、死によって沈黙することになる。最大の見どころはオーストラリアにおけるダニートレホ、史実上の大悪党にして義賊とも名高い『ネッド・ケリー』が登場する点だ。最後の、あるいは最期のメジャーアップデートによりサイドストーリーも追加され、若きティーンの青い物語や、酸いも甘いも噛分けた悪魔を知るレディの物語など、実際充実した物語はいつでもお前に開かれることを待っている。
今宵も、闇のカードゲームに挑め。主人公は、君だ。
お前は、TRPGや、カードゲームは好きか? 戦略や、冒険、謎解きは好きか? もし、カードの中から声が聞こえてきたなら? そんな物語が、お前を待っている。ローグライクカードゲームに分類されるこのゲーム『Inscryption』はショットガンでもリボルバーでもなく、カードゲームと知恵で冒険の道を切り開く。実際何も恐れることは無い、カードと一緒なら……。一つだけ忠告しておこう。配信しながらこれを行うのであれば、オコジョの警告には耳を貸すことだ。でなければ……お前の評判は地に落ち、ろうそくは吹き消され、めんみつな配信計画は荒野の砂に埋もれてしまうだろう。
極寒。人類の冬。凍てついた荒野を、行き抜け。
底冷えし始める秋、感じる冬の訪れ。しかしこのゲームの寒さはそんなものではない。これはめんみつな資源管理とけいかくせいを求められる街づくりストラテジーだ。人類の文明、そしてドリトスまでもが凍り付く寒波の中で、お前は指導者として人々を導かねばならない。時に脅しの声を上げ、時に甘く語り掛け、不満の募る民衆をコントロールしなくてはならない。人々はお前を頼り、恨み、怒り、服従し、信仰するだろう。そして時に、命さえ天秤にかけることを求められる。この寒さの中、もう涙とテキーラは凍り付いた。生きろ、終わらない寒波など、無いのだから。
【お前】【は】【うさぎ】……【お前】【は】【勝者】
これは性質上、日本語化出来ないパズルゲームだ。倉庫番系パズルゲーム、と言ってピンとくるだろうか。お前は(大抵)『BABA』という名前のウサギ(時には名もなき岩)となり、(大体の場合に)勝利を意味する旗を(基本的に)目指す。曖昧になったが、このゲームは『BABA』『IS』『YOU』と定義されている場合においてのみ、お前はバーバという可愛らしいウサギなのだ。文字のブロックを押すことによってあらゆるものの定義は覆される。時にマグマや、ダニートレホ、サボテンまでもが浮遊し、ドリトスに変わり、勝者となる。さぁ、今勝利をつかむために、紅茶をポット一杯に淹れる時だ。ポットカバーを忘れないように。【MEXICO】【IS】【STRONG】。
最後に
ここまで紹介したゲームは全て、じっくりと考え込んだり、その為の一時停止機能があったり、ゆっくりとプレイすることが出来る。もちろんその機能を使わないのも一つの攻略ではあるし、手に汗握る展開に、紅茶が冷めてしまうこともあるだろう。秋の夜は長い。寒さには十分気を付けてゲームを楽しんで欲しい。でなければ、夜風に紛れ込んだダニートレホが隙間風と共に投げナイフをお前めがけて放るだろう。そうなりたくなければしっかりと暖を取ることだ。
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