国家公務員がうつ病休職中にもらえるお金の話
国家公務員はうつ病になったら最長3年強休めて、お金もかなりもらえます!
うつ病になってしまったら…仕事を休みたいけど、給料がもらえなくなるし、辞めさせられるかもしれない…と心配になりますよね。(注:ここでいううつ病は、労災ではなく、あくまで私傷病としてのものです。)
結論から言って、国家公務員は、うつ病になったら、最長で90日+3年間休むことができます。しかもその間、給与あるいは傷病手当金という名目でそれなりの金額をもらうことができます。
詳しくご説明します。
まずは病気休暇を取得しよう
うつ病と診断され、休職が必要との診断書がもらって病気休暇に入るまでの過程は、多様だと思いますが、私の場合、以下の流れでした。
不眠にはうすうす気づいていたが、メールチェックで涙ぐむ等々見過ごせないほどの体の異変に気付く
産業医のアポをとる
(1週間後にようやく)産業医との面談
外部のメンタルクリニックを受診、診断書取得
病気休暇(注:病気休職ではない)開始
産業医の面談は必須ではなく、いきなりメンタルクリニックを受診するのもアリです。
私の場合、産業医とすぐ面談できるものと思い込んでいたため、まず産業医のアポをとることになりましたが、結果的に産業医との面談は一週間後になりましたし、その産業医に診断書を書いてもらうとなるとさらにニ週間後になると言われ、すぐ診断書がほしければ自分でメンタルクリニック探して行ってくださいとのことでした。産業医の方も初回面談で診断書は出せないというルールでもあるのでしょうが、今思えばあのときの私は全く働ける状態ではなく、とにかく休みたかったので、産業医との面談は無駄足だったなと思います。
無事に診断書をもらえたら、診断書に記載されている休職期間を病気休暇として申請しましょう。
病気休暇は最長90日間です。
私が通院するメンタルクリニックは診断書上の必要な休職期間を1か月としか書いてくれなかったため、毎月診断書を書いてもらって、申請しなければいけませんでした。
人事担当からは「普通はもっと長い期間で書いてあるんですけどねぇ」と言われたのですが、一か月単位でしか診断書は出せないとのこと。まあなんというか『うつビジネス』ぽいクリニックなのでね・・・
病気休暇は有給扱い
病気休暇は有給扱いなので、最長90日間ほぼそれまでどおりのお給料がもらえます。
細かいことですが、私の場合『本府省業務調整手当』はなしになり、『通勤手当』は一部返納となっていました。出勤していないので当然ですね。
ということで、一部の手当分については減額となります。
90日以内に復職できなければ病気休職へ
病気休暇で取得できる最長90日間で復職できない場合は、病気休職に入ることになります。
診断書の他に必要になるのは、『休職承諾書』という書類で、「○年○月○日から△年△月△日まで、病気療養のため、休職を命ぜられることを承諾します」と書いてあります。
病気休暇は自分から申請するものなのに対し、病気休職は人事命令なのですね。
病気休職1年目は給与の8割がもらえます
病気休職の最初の1年は、給与の8割を支給することができると法律に明記されています。
一般職の職員の給与に関する法律第23条
3 職員が(中略:要するに労災ではなく私傷病による)心身の故障により(中略:要するに病気療養のために)休職にされたときは、その休職の期間が満一年に達するまでは、これに俸給、扶養手当、地域手当、広域異動手当、研究員調整手当、住居手当及び期末手当のそれぞれ百分の八十を支給することができる。
なんで「支給できる」規定なんだろう。こっちとしては「支給しなければならない」のほうが安心なんだけど。
とにかく、8割もらえますので、ご安心を。
8割の金額から、当然、所得税、社会保険料が引かれますが、それでもかなりの額ですよね。
ここは、民間企業と大きく異なる部分だと思います。
病気休職2年目からは傷病手当金がもらえます
病気休職満1年に達する日に私がもらった通知書には「以後給与は支給しない」と書かれていました。なんだか物悲しい。
でも、その翌日からは、某省共済組合(いわゆる健康保険組合)から傷病手当金を受け取ることができました。
ざっくりと、傷病手当金は標準報酬月額の約3分の2の額から社会保険料が差し引かれた額が支給されます。計算ルール上、祝日の多い月や年末年始をはさむ12月、1月は若干少なかったです。私の場合ぶっちゃけ手取り約20万円をいただいていました。傷病手当金は法定給付で最長1年半もらうことができます。これは民間も同じですね。
なお、傷病手当金は非課税です。
病気休職最後の半年は傷病手当金附加金がもらえます
病気休職2年目から3年目の半年までは前述の傷病手当金がもらえます。
では、残りの半年間はというと、某省共済組合では、独自給付である傷病手当金附加金として、傷病手当金と同様にお金をもらうことができます。
これは他の府省の共済組合でも同様に行っているかは未確認です。でも府省庁って横並び大好きだから、きっと行っているんじゃないかな。
【結論】国家公務員がうつ病で仕事を休んでも当面の生活費の心配無用!
国家公務員であれば、うつ病が治らず復職できずにいても、90日+3年間は辞めさせられずに、かつ、それまでの給与の約7割ぐらいの水準の給付を受け取りながら、療養することができます。
このおかげで、所得補償保険とか就業不能保険等に入っておけばよかったなとはならなかったのだと思っています。
説明が長くなってしまいましたが、いまこの瞬間もブラック霞ケ関と呼ばれる泥船で働くかつての同僚たちの中に、うつ病で困っている人がいるかもしれないと思い、私の経験が誰かの役にたてばと思い、書いてみました。
私はファイナンシャルプランナーや社会保険労務士資格があるわけではないので、詳細な給付要件については記事内で触れておりません。あくまで私の体験談としてお読みいただければと思います。