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#香港電影

電影鑑賞記『臨時決鬥 Hit N Fun』(2025)

電影鑑賞記『臨時決鬥 Hit N Fun』(2025)

賀歲片だから、いや、賀歲片だけに、観るべきかどうか迷っていた。

German Cheungと Philip Ng は絶対に観たいが、Gigi Leung がボクシングやるとかフニャフニャでもまあ良しで流してるんじゃないだろうか、Louis Koo 古天樂のコメディ・タッチの芝居は『喵星人 Meow』(2017) で背中がむずむずしたのでキャップ被っちゃってる今回もちょっとキツイかもしれないし、い

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電影鑑賞記『看我今天怎麼說 The Way We Talk』(2025)

電影鑑賞記『看我今天怎麼說 The Way We Talk』(2025)

数年前にはまだ資金を集めて回っている最中だったこの作品が遂に作品として出来上がってきた。「次の作品は聾人の話なんだ」と目を輝かせていた Adam Wong 黃修平。もう5年も前のことになるのか。

本作の香港正式公開は2月20日と発表された。5年かけて膨大な量のリサーチをしたという。とても重要なポイントが複数ある作品なので是非観てみていただきたい。

初鑑賞では感動よりも学びや気付きが残った。感動

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散步香港143 < 長洲 / 久別長洲 重逢記憶 - 長洲電影之旅 >

散步香港143 < 長洲 / 久別長洲 重逢記憶 - 長洲電影之旅 >

「久別長洲 重逢記憶 - 長洲電影之旅」という電影ロケ地巡りツアーに参加してきた。「團長:《電影現場之旅》作者 奇夫」とある。この奇夫氏は香港電影ロケ地巡りの始祖だそうな。

実はこのツアー、Facebook で見かけたのだけれど『久別重逢 The Last Song For You』のロケ地巡りだというので、まだ観ていないしと申し込んでいなかった。

前記事 電影鑑賞記『點對點 Dot 2 Do

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電影鑑賞記『點對點 Dot 2 Dot』(2014)

電影鑑賞記『點對點 Dot 2 Dot』(2014)

嶺南影像というプログラムで『點對點 Dot 2 Dot』を上映していたので観に行った。

2014年の作品。大阪アジアン映画祭で上映されたおかげで導演の Amos Wong 黃浩然や音音姐こと Susan Shaw 邵音音と仲良くなった。もう10年も前になるのか。感慨深い。

ストーリーを大雑把に紹介すると、黃雪聰(陳豪)が様々な場所にこっそり書いた線結び用の点に気付いた曹小雪(蒙亭)が線結びを完

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電影鑑賞記『焚城 Cesium Fallout』(2024)

電影鑑賞記『焚城 Cesium Fallout』(2024)

それなりの入りだと聞いていたのに、雨降りの平日だからかこの上映は私を入れて6人。全員 End Roll 終わるまで席を立たなかった。

入場プレゼントとして港式宣傳單張(香港式チラシ)とでも名付けたくなるシートを貰った。最近はこのA4で卡紙(=ちょっと固めの紙)を入場プレゼントにする作品が増えた。といっても私は高先電影院でしか観ないので、他劇場でも配布しているのかどうかは知らない。

せっかくの高

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電影鑑賞記『送院途中 Vital Sign』(2023)

電影鑑賞記『送院途中 Vital Sign』(2023)

実はこの作品は観ていない。ちょうど私が香港に戻る直前の香港國際電影節で上映されたのだけれど、私が本格的に戻ってきてからは劇場での上映はしていない。なのにこの作品の導演の劇組に参加することになろうとは想像だにしていなかった。

作品としては全体的に薄い。薄べったいというかちょっとぼんやりというか。題材としてはとても良いのだけれど、全体を通しての一番の柱をハッキリ立てきれていなかった感はある。第一の柱

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電影鑑賞記『爸爸 Papa』(2024) @東京国際映画祭&@香港 謝票場

電影鑑賞記『爸爸 Papa』(2024) @東京国際映画祭&@香港 謝票場

翁子光導演は私が観た限りの作品で言うと重い題材の作品がホンマに上手。『風再起時』はかなり不満が残った。『正義迴廊』は実はまだ観られていないのでどんなだったかわからない。

なぜまた猟奇殺人の作品を?の質問に「こういうのが上手いのはお前だからやってくれと言われた」と答えた導演。私も「だってそうだもんね」と制作者に心から同意。

劉青雲の芝居については何も言わなくても良いでしょう。この役はラウチンしか

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電影鑑賞記『破・地獄 The Last Dance』(2024)

電影鑑賞記『破・地獄 The Last Dance』(2024)

鑑賞記の前に、去る10月19日海洋中心にて行われたプレ・イベントの様子から。本来11月14日公開予定だったが11月9日に前倒しになったという発表がここでなされたので、バナーにはすでにそれ用の口號「11月9日 那日 見」が出ている。とりあえず写真だけ置いておく。みんな楽しそうで和む写真よ。電影鑑賞記はその下に。

東京国際映画祭で配布用に作った英皇集團オフィシャルのチラシ。東京で陳茂賢導演、子華神、

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『九龍城寨之圍城』搭景 撮影セット@香港國際機場

『九龍城寨之圍城』搭景 撮影セット@香港國際機場

東京出張に行く際に少しだけ時間があったので Arrival Hall へ降りてとにかく写真を撮ってみた。

機場接機大堂に組んだと聞いていたので、どれほどの規模なのかと思っていたけれど、思った以上に小さかった。

とはいえ、七記冰室に入って陳洛軍叉燒飯の前に座って写真撮影できるようにするというアイデアはとても良いね。私も誰かと一緒だったら陳洛軍やりたかった。

この天上空きと中途半端に残っている二

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『破・地獄 The Last Dance』海報創作展/道具劇照展@Upper Deck Tai Nan 大南天梯 = 解説ツアーの内容と書籍販売案内を追加 =

『破・地獄 The Last Dance』海報創作展/道具劇照展@Upper Deck Tai Nan 大南天梯 = 解説ツアーの内容と書籍販売案内を追加 =

今回のエキシビジョンは、単なるオフィシャルのポスター展ではなく、アーティストの皆さんに前もって作品を鑑賞してもらい、自分が感じたことを表現した夫々の『破・地獄』ポスターを創作するという趣旨のもの。実は会場の大南天梯、上階へ拡張していて、二樓はポスター展、三樓は衣装と小道具展となっている。一般公開は11月9日から。

大南天梯の入り口のポスターは出演者の顔が出ていないので見逃しそうになる。

大南天

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Hong Kong-Asian Film Collaboration Funding Scheme 亞洲文化交流電影製作資助計劃のセミナーでHONG KONG FILMS@TOKYO 2024に参加

Hong Kong-Asian Film Collaboration Funding Scheme 亞洲文化交流電影製作資助計劃のセミナーでHONG KONG FILMS@TOKYO 2024に参加

東京国際映画祭併設の TIFFCOM に行ってきた。私が参加しているプロジェクトが助成金を獲得し、それを世界にプロモートしたい当局からの招待で監督がセミナーに参加するというのでクルーとして連れていってもらった。

まずは自分へのリマインダーも含めて、どういうシステムの助成金なのかを書き記しておく。

香港特別行政區政府文化體育及旅遊局の下に、旧 Create Hong Kong 創意香港・現 Th

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電影鑑賞記『人海同游 Borrowed Time』(2024)

電影鑑賞記『人海同游 Borrowed Time』(2024)

トレイラーが素敵だったので、いつものごとく何の前情報も入れずに観てきた。

このところ少なくなった、細部を何から何まで繋げてしまわない運び方のストーリー。フィルムで撮っていた頃は、その場ですぐ Play back して確認できないし、negative film を現像してから見直すということや予算もあって、ある程度の細部は切り捨てて(も致し方なしとして)いたような気がするので、ストーリーを細部まで

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電影鑑賞記『我談的那場戀愛 Love Lies』(2024)

電影鑑賞記『我談的那場戀愛 Love Lies』(2024)

10月1日半額デイ「一人電影馬拉松」2本目はこれ。元も子もないほど簡単に言ってしまうと「結婚詐欺」の話。

実は全く以って期待していなかった。1本目の『武替道』と3本目の『千禧曼波』の間に何か入れたかったので、仕方ないこれでも観とくかぁ程度の気持ちだった。Sandra Ng 吳君如の芝居はいつもお約束通りのものだし、MC  張天賦も微妙な芝居はできないので、全く期待していなかっただけに予想外に面白

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電影鑑賞記『武替道 Stuntman』(2024)

電影鑑賞記『武替道 Stuntman』(2024)

以前の記事:香港電影鑑賞記:『九龍城寨之圍城 Twilight of the Warriors: Walled In』(2024)に引き続き、また別の素晴らしいアクション映画が公開された。

『九龍城寨之圍城』は完全なる娯楽作品だけれど、この『武替道』は私にとってはセミ・ドキュメンタリー。おかげで泣きまくった。(泣かせどころわかっている2回目鑑賞時もボロボロに泣いた。)

10月1日の半額デイ、し

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