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デジタル時代の子育て〜感性2〜

「我々のうちに形成され完成される最初の能力は、感覚である。だから感覚こそ、第一に育てあげなければならない。
感覚を訓練することとは、単にそれを使うことではない。
感覚を通して正しく判断することを学ぶことであり、いわば感じることを学ぶことでもある。」


「集中力」をテーマに書いています。
集中力と運動の関係、スキルによる分類を見た上で非認知能力、記憶、思考などについて考えてきました。今日のテーマは、「感性」です。


ところで、そもそも「感性」とはなんでしょう。

「外界の刺激に応じて感覚・知覚を生ずる感覚器官の感受性。」
sensibility(英)
Sinnlichkeit(独)

広辞苑

何かを見る、聞く時に感じる心の動き、感覚的に物事に対して感じていることと捉えています。

感受性というと、かなり内面や情緒性にフォーカスしてしまいますが、感受性も感性一つでしょう。人の気持ちを感じる力、場の空気を読む力、芸術性やファッションセンスなども感性の一例と考えられますね。

人工知能AIが出てきたこともあってか、ここ数年「感性」、センスという言葉をよく聞くようになりました。

最近は、情報技術の中にどう五感への働きかけを載せるか(五感情報通信技術に関する調査研究会)注目されています。

私は早くに母と死別しているのですが、
母のビデオメッセージがあって、それに母の香りや母の得意料理がついているとか、少し想像しただけで、泣けてきちゃいそうです。ハリー=ポッターではないですが、毎晩開いてしまうかも。


本題に戻りまして。
感覚については昔からその重要性を唱えられていました。

感覚のスペシャリスト、✨ルソー様✨

前回に引き続き、引用はルソー『エミール』からです。「エミール」の前半(幼児・少年期)は、感覚についての述べられています。

「それぞれの感覚をできるだけ利用し、それから一つの感覚の印象を他の感覚の印象で確かめるがよいI」(OCⅣ-380)

それぞれの感覚、五感、5sensesについても述べられています。
(長いです💦)

触覚
「触覚は我々が全ての感覚の中で一番頻繁にはたらせる感覚であるが、にもかかわらずその判断は…他のどんな感覚によるものよりも不完全で粗雑なものである。なぜなら、我々は触覚の使用に当たって絶えず視覚を用いるし、眼の方が手よりも早く対象を捉えるので、精神はほとんど常に手を使わずに判断するからだ。その代わり、触覚による判断はより限られたものであるが故に、より確実だ。」

視覚
「視覚はその働きを遠く人間の外へと広げる。そのため視覚は人を欺きやすいものとなる。・・・なぜならそれが正しく最も広がりの大きな感覚だからであり、また他の全ての感覚に遠く先立って進み、その働きがあまりにも敏速であまりにも範囲が広いため、他の感覚によって訂正されることができないからである。」
「視覚が物の形や距離を我々に忠実に伝えてくれる習慣をつけるためには、その前に視覚と触覚とを長い間比較してみなければならない。」(OCⅣ-396)


味覚
「我々の様々な感覚の中で、味覚は一般に我々の心に最も影響を及ぼす感覚である」
「触覚や感覚や視覚にとっては、無数のものがどうでもいいものだが、しかし味覚にとってどうでもいいものはほとんどない。その上、この感覚の働きは全く肉体的で物質的だ。・・・それを感ずる場合に想像力が介入することが最も少ない感覚である。」(OCⅣ-409)

口に入れる=生に直結しますよね。
口に入れた時点で、体に取り込んでいます。感覚の中でもブレが少ない、納得です。

残る嗅覚の記述が面白いです。

嗅覚
「嗅覚は想像力の感覚である。・・・嗅覚は恋愛においてかなりよく知られた効果を持っている。化粧室の甘い香りは、人が考えるほど役に立たない罠ではない。そして私は、恋人が胸につけている花の匂いに胸をときめかしたこともない、賢いが感受性の鈍い人を祝福しなければならないのか、それとも憐れまなければならないのか、よく分からない」(OCⅣ-416)


少し距離置いてますよね(笑)。
(ルソーのこういう記述を見て、キュンキュンする私は少しだけ変態なんだと思うんですけれども)

「賢いが感受性が鈍い」

この書き方、ルソー自身のことを言っていると思うのですが、可愛過ぎませんか。このマルチな天才が

「よく分からない」

とかいうんですよ。これ、原著欲しくなっちゃう💓。



「別に君を求めてないけど、横にいられると思い出す
君のドルチェ&ガッバーナのその香水のせいだよ」

香りが愛しい人や思い出を思い出させますよね。

これって味覚にはないんですかね。
「この味!」みたいなの、フィクションではありそうですよね。


15歳で祖国ジュネーヴを飛び出したルソー、「おふくろの味」(mom's food やcomfort foods?)みたいなものはなかったんですかね。気になります。




お腹いっぱいになってしまいました。
次回は、感覚を鍛える話について。
まだ、続きます。

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