「オンボロ屋敷の桃色ヤモリくん」第25話note連載小説(不定期)
「オンボロ屋敷に現れた妖怪カッパくん」その4
(投げ銭方式ですので無料で読めます)
ハルオには、どうしてカッパくんが、自分たちに悪い妖怪を退治をしてくれと言ってきたのかが分からなかった。
ハルオは、ただの人間である。
そんな自分たちが、化け物の悪い妖怪に太刀打ちできるはずもないと思ったのだった・・・。
ハルオは、残念そうな顔で
「カッパくん、君たちが平和を好んで静かに暮らしていた事や、これからもそうしたい事はよく分かったよ。でも、ボクたちに妖怪退治なんてとても無理な相談だよ・・・」
と、カッパくんの顔を見つめて言った。
カッパくんは、ハルオの言う事を黙って聞いてたい。
そして、ハルオの話が終わると部屋の中はシーンと静まりかえって誰も言葉を発する者はいなかった。
天井からつるされた、少し埃のたまった笠の電球が、夏の蒸し暑い夜の部屋にいる皆の顔を照らし出していた・・・。
カッパくんはうつむいて、こみ上げてくる悲しみをこらえるように口ばしをぎゆっと結んでいた。
それでもカッパくんは、余りにも落胆し我を忘れてうつむいたことで危うくお皿の水をこぼしそうになったものだから、慌てて両手で頭のお皿を押さえたのだった。
だから、お皿の水は、こぼす事はなかった。
しかし、カッパくんの潤んだ目からは、一粒の涙が頬をつたって落ちた。
その涙は、まるで猫のコムギが、ハルオたちの為に願いを込めた夜空の流れ星のように、キラキラと光りながら部屋の床に落ちていった・・・。
すると突然
「ハルオさんには、妖怪を退治する力があります」と、
部屋のどこからか声がした。
ハルオは、その声にビックリして辺りをキョロキョロと見回しその声の主を探した。
しかし、部屋の中にはハルオに妹のサクラと、カッパくんとヤモリくんに。
そして、猫のコムギちゃんの姿だけしかなかった。
ハルオの聞いたその声は、サクラの声でもなくヤモリくんの声でもなかった。
いったい誰の声かと、ハルオが考えていると再びあの声がした。
「ハルオさんは、孤児のボクを助けてくれたニヤー。
そして、ハルオさんは人間ニャノニ、カッパくんたちが静かに平和に暮らせるようにと、人間たちには知られないようにかばってあげたニャー。」
「そんなハルオさんだから、きっとカッパくんを助けてあげられるニャー」
な、なんと、声のぬしは、ネコのコムギだったのだ。
ハルオは、声の主が、コムギだと知ると目を丸くして驚いた。
「コ、コムギ? しゃ、しゃべれるのかい! 」
と、ハルオが大きな声で言った。
すると、妹のサクラも目を丸くして
「ええー、コ、コムギちゃん、おしゃべりできるのー?」
と、驚いたが。
さらに、ハルオたちが驚いたのは。
それは・・・。
この続きは次回へ・・・。
次回第26話は、2月20日土曜日を予定しています。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
この記事は、有料としていますが表示されている価格は定価ではありませんので気になさる必要は御座いません。
そしてこの記事は投げ銭方式を取っていますので、面白かった、楽しめた、気に入った、応援したい、等々と思われた方は、お幾らでも結構ですので投げ銭して頂けましたらなら幸いでございます。
ご購入いただいた皆様ありがとうございます<(_ _)>。
創作活動費として大切に使用させて頂きます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
連載小説(不定期)
「オンボロ屋敷の桃色ヤモリくん」第25話note連載小説(不定期)
「オンボロ屋敷に現れた妖怪カッパくん」その4
終り
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「オンボロ屋敷の桃色ヤモリくん」第26話note連載小説(不定期)
「オンボロ屋敷に現れた妖怪カッパくん」その5へつづく
「オンボロ屋敷の桃色ヤモリくん」第1話~最新話のマガジン
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
桃色ヤモリくんんにも登場するヤモリとは一体どんな生き物なの?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
記事内使用画像・フリー画像素材Pixabay より
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
2021.2.6 6.25ありがとうございます加筆 2024.5.17加筆
ここから先は
¥ 280
この記事が参加している募集
ご無理のない範囲で投げ銭や記事のご購入やサポートでの応援を頂けましたなら幸いです。高齢の猫(定期的な抗生物質注射が必要な為)の治療費に使用したいと思っております。投げ銭や記事のご購入やサポート頂けた方には、X(ツイッターフォロワー合計7万)で記事を共有(リポスト)させて頂きます。