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久しぶりと不安な日

今日起きたのは朝の六時。本当は五時半には目覚ましをかけていたけどスヌーズして寝坊した。しかしここ最近、起きるのは午後四時頃だった私がよく朝起きられた。そう、今日はレッスンの日だ。

先週いっぱいを風邪で休んでしまったから、せっかく覚えた台詞も全部抜けてしまったのではと不安になって、昨日の夜パラパラと台本をさらったが、案外ちゃんと覚えていて、稽古中特に支障はなかった。むしろ久しぶりの稽古でエンジンがかかったのか、終始テンションが爆上がりで治りかけていた喉にダメージを加えてしまった。ガラガラする…。先週あったことも教えて貰えたので、体感としてスムーズに進んだように思う。次も頑張ろう。素直にそう思えた。
レッスン後は公演の衣装班で集まって衣装に使う布を裁断した。本当は先週からしっかり動くつもりだったが、私は休んでしまったが故に上手く状況を知られずにいた。班のチーフが三着縫ってきてくれた。あとは私の番だ。裁断さえ終わればこっちのものだ。私も早く作業に入りたい。レッスン後で裁断を終わらせるつもりだったが、いつもよりレッスン後の時間がとられず、次回に持ち越した。私はいつも作業するときは手縫いなのだが、次回までにミシンを手に入れるかどうか考えておこうと思う。

正直、稽古場に向かうまで不安でいっぱいだった。台詞を忘れていたら、先々週とは全く違う演出になっていたら、衣装も私だけ理解が追いつかず取り残されたら、風邪で休んでいてもできることはあったんじゃないだろうか、と、そんなことをグルグルと考えてしまった。このままじゃダメだと、友人に貰ったヘッドフォンをつけ、ディズニーのプレイリストを流した。ミラベル、メリーポピンズ、ライオンキング、ディセンダントに魔法にかけられて…それぞれのビートに乗って、ハイスクールミュージカルのシャーペイ・エヴァンスのように歩いた。特にズートピアのトライ・エヴリシングは、不安な時や落ち込んでいる時に聴くと、いつの間にか前を向いて歩けるような曲だ。ノリよく明るい音楽と、日本語版のわかやすく真っ直ぐな歌詞が刺さる。
「諦めないでいこう。どんなことがあったとしても。何度でも、ダメだとしても、向かっていけばいいの。」
最近少し凝った言い回しの歌詞が多かったりするし、それはそれで情緒があって素敵だし好きだけれど、シンプルに落ち込んだり不安な時は、やっぱり、シンプルな言葉が一番効くような気がする。ズートピアという新天地に向かうジュディのような気持ちをいつでも忘れないでいたい。

家に帰ると、夕食を食べながら映画を観た。「ロスト・キング 500年越しの運命」だ。
仕事で正当な評価を受けられず、家庭でも元夫から生活費のために仕事を辞めるなと言われる女性が、息子の付き添いでリチャード三世を観劇したことで人生が一変する。諸説ある、所在の分からないリチャード三世の遺骨を探し出そうと奮闘するうち、彼女の周りは変わるものがあったり、しかし変わらないものもある。事実に基づく彼女の物語。
としても面白かったし、何より勉強になる。たとえ正当な評価を受けられず、周りから否定的な目で見られても、自分の直感や感情を信じ、行動を起こすことで、味方になってくれる人がいるかもしれない。行動を起こしたことが実を結ぶかもしれない。しかし一方で、行動を起こしたことで、それがうまくいったときに、手柄を横取りしようと都合よく使おうとしてくる人達が現れるかもしれない。そしてその相手が大きいほど、ときに貫いてきた信念が横取りされるのを黙って見ているしかないときがあるかもしれない。果たして世間は変わるのか、はたまた自分の見える世界が変わっただけか。それがどちらだって、きっと何かは変わってる。変わらない信念で、何かが変わるかもしれない。そんな風に思えた作品だった。

早起きと寝不足のせいでレッスンが終わってからずっと眠くてたまらない。ほんの少しだけうたた寝しようかと思う。もしかしたらそのまま朝まで寝てしまうかもしれないが、そんなことがないようにしっかり目覚ましをかけるつもりだ。スヌーズしないかどうかは保証できないけど。

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