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「α」でゴルフ撮影するプロフェッショナル達(ソニーオープン・イン・ハワイ後編)

広報部のRTです。スポーツの撮影に欠かせないカメラ性能として、真っ先にあがるのは、瞬間を切り取り、見る者の心を動かす高い描写力と高性能AF。堅牢性や小型軽量デザインも重要です。

ゴルフツアーを撮影するプロフェッショナルが重視するものは何か。数あるカメラの中でなぜαを使っているのか。その背景に迫ります。


最強の組み合わせは、α1×単焦点レンズ×クロップ機能(岩本さん)

ゴルフダイジェストをはじめとする専門媒体で、第一線で活躍しつづける岩本芳弘さん。標準装備はα1を3台。それぞれに、広角16-35㎜、70-200㎜、望遠単焦点400㎜を装着。ゴルフ撮影では、300㎜の距離感が重要と語ります。

メディアルームでご自身の装備の一部を見せてくれました。ゴルフ撮影には、広角・望遠が必須。

Q:αを使っている理由を教えてください。
α9からαを使っています。今のメイン機材は「α1」で、いちばんのポイントはクロップ(画面の切り出し)機能。解像感がおちず、精度も非常に良い。瞬間的にクロップ切り替えができるというのが、ゴルフ撮影ではとても重要です。
メジャー選手権の一つであるマスターズ・トーナメントなどは600㎜の焦点距離で撮影したいシーンも多いのですが、プレイ中はフォトグラファーは自由に動けないなかで、撮影したい画角に瞬時に切り替えられること、その感度や速さは重要な武器になっています。

Q:ゴルフ撮影におけるクロップ機能の良さをもう少し教えてください。
約5010万画素ある画素数の観点で、α1を使い続けています。クロップ機能があれば、例えば300㎜のレンズで420㎜まで高解像で撮影ができる。この機能だけで、レンズ1~2本分の価値があるのです。
ゴルフ撮影は体力勝負。ひとつのツアーは数日間ありますが、その間カメラとレンズを持ち選手を追いかけて、時には先回りをして、ゴルフコースを歩き回ります。荷物は最小限にしたいという気持ちに、α1のクロップ機能は最大級に寄り添ってくれています。

Q:連写性能などについて
α1の高速連写性能の30コマ/秒も十分。やみくもに枚数が増えてしまうのは避けたいため、瞬間的に活用します。ここぞという時に撮りたい画が撮れるので、安心して使い続けられています。

メディアルームには、ソニーのプロサポートチームが常駐。機材や設定などの様々なサポートに加え、プロの声を真摯に聞き取ります。上の写真は、岩本さんとプロサポートのBenが、300㎜のレンズについて話し合う様子。

Q:レンズについて
持った時のバランスや描写力の点でも、単焦点を好んで使っています。ソニーから400㎜のレンズが出たとき、軽さに本当に驚きました。これならαを使いたいと、αに切り替えたフォトグラファーも多かったのではないでしょうか。
α1で選択できるクロップの種類が増えてほしいというのが、今の期待です。”単焦点レンズ×クロップ”という楽しみ方が増えますし、仕事の上でも絵柄をふやせるのは非常にありがたいです。

ティーショットを芝生ギリギリのラインから撮影して、澄んだ青い空をいれたダイナミックな構図に。αのサイレントシャッターで、インパクト前でも無音で撮影できます。(白い帽子が岩本さん)
18番ホール横で、先読みしてポジション取りをする岩本さん(写真中央)。青い空、揺れる雲、鮮やかな芝、選手を含めた構図を瞬時に計算して構えます。ほかの撮影者が三脚の固定位置からの撮影する中、低めからの狙い撃ちショットで、心にひびく印象的写真を狙います。
3台のカメラを携えて18番最終ホールに向かう岩本さん。注目の選手が最終ホールにくるたびに、なんども舞い戻ります。

機動力と描写力(JJ田辺さん)

アメリカ在住のJJ田辺安啓さんは、世界を飛び回るゴルフ専門フォトグラファー。米ツアーを中心にゴルフトーナメントを撮影し、日本の媒体を中心に写真提供をしています。2021年5月頃からαをご使用。

トップ組のティーショットを撮影した直後、振り向いて笑顔の1枚。驚愕のフットワークの軽さで、ツアーを撮り切ります。

ツアー中は、たくさんのゴルフファンが試合の様子をリアルタイムで心待ちにしているわけですが、例えば以下のゴルフダイジェストのように、写真が次々とアップされていきます。

肩から一台、一脚にもう1台。最小限の装備で軽やかにフィールドを駆け抜けます。

Q: αの使い心地はいかがでしょうか。
ゴルフの撮影では、α9とα9 II、それぞれに24‐240㎜、200‐600㎜をつけて撮影することが多いです。高い描写力やAF性能はもちろんですが、望遠レンズと組み合わせても軽くて機動性が高いので、自分の撮影スタイルにマッチしています。望遠レンズを付けたα9に一脚をつけて、肩にかついでフィールドを移動します。ゴルフ撮影の大事な相棒です。

最近は、短いレンズが欲しくなっている。35㎜や50㎜の単焦点でゴルフの多彩な瞬間を切り取って、多くの人に届けたいです。

日本選手のプレイが展開されている11番グリーンを少し広めに狙います。JJ田辺さんと並ぶのは、日本ゴルフ協会の競技者育成・広報担当の菊池さん。α9 IIをご使用。

”True Professional Camera”(Marcoさん)

アメリカ在住のプロフォトグラファーMarcoさんには、何度もフィールドで遭遇。肩にかかるαのストラップに引き寄せられて突撃インタビューしたところ、笑顔で応えてくれました。他社カメラも使われている中、αの良い点を熱弁。

Q: αの使い心地はいかがでしょうか。
α1は、真のプロフェッショナルカメラだと思う。
ほかのどのカメラも凌駕している。高いAF性能、小型で軽い。とにかく素晴らしいの一言。使い続けたいです。

その場をパッと明るくする笑顔。カメラは、望遠の単焦点と標準ズームの2台持ち。

ハワイの光をそのまま捉えるISOとレンズ(蓮沼さん)

35年以上ハワイ在住で、ゴルフ撮影以外にもウェディング撮影など多方面で活躍されている蓮沼徳宗さん。ソニーオープン・イン・ハワイのオフィシャルフォトグラファーとして、ツアーそのものに加えて、ツアー前日までのさまざまなイベントも撮影。セットアップは、α1と、レンズ24‐70㎜、70‐200㎜です。「ミラーレスの軽さは最高」と語ります。

フィールドを駆け回る蓮沼さんにやっと追いついた瞬間。YouTubeチャンネルやモデル事務所なども運営されていて、エネルギーにあふれています。

Q:ゴルフの撮影で重視するものはなんでしょうか。
ゴルフの撮影では、シャッタースピードの速さと連写時の読み込みスピードを重視しています。次の撮影になかなかうつれないのは、プロフォトグラファーとしては致命的。1日中フィールドに出る現場では、バッテリーの持ちはもちろん重要です。

ハワイは光と影が強いので、撮影は実はとても難しいです。そこで大事なのはISO性能。光がふりそそぐ朝、天候が移り変わる日中、トーナメント前後のパーティが開かれるボールルームなどの撮影に対応できるカメラが必須です。ストロボはなるべく使わずに、ハワイの自然の光をいかしたいと思っている。ハワイの青空をどーんと撮影したいときに、センサーやミラーにごみがつくと台無しになりますが、ミラーレスではそもそもミラーもありませんし、レンズ交換時にセンサー前に蓋をしておくこともできるので、これもありがたいです。

広い空、観客も含めて、広めの構図でグリーン上のプレイをおさえている蓮沼さん。

Q.レンズについてはいかがでしょうか。
ソニーのレンズは非常に良い。そして軽いです。レンズをのぞきこんで見えている画が、そのまま撮れている感覚があります。それが本当にすごい。
ゴルフの撮影でいうと、400㎜、70‐200㎜または24‐70㎜があれば十分に撮りきれる。試合中は選手に近づく事ができないことも多いので望遠が重要になり、またツアー全体や参加者の雰囲気を撮るためには、70‐200㎜または24-70㎜がちょうどよくて気に入っています。

カバンの中身もみせてもらいました。カメラ2台、レンズ数本ととてもコンパクトな装備。AFは、基本的に中央固定の設定だそうです。

過酷なゴルフ撮影の現場でいきるα

プロスポーツの撮影といっても、競技によって環境はさまざまです。

ゴルフの写真取材は、18ホールをくまなく、必要機材をすべて携行して歩き回りながら被写体を追います。朝もとても早いです。ある写真家の方は「一眼レフの重いフィルムカメラで取材していた時代には、1日の取材がおわるとカメラストラップのあざが肩につくほどだった」と仰っていました。機材の軽さはとても重要です。

ゴルフは自然の中のスポーツということもあり、天候や光の変化への対応も求められます。多少の雨天でもプレイは続行されることが多いです。シャッター音などの物音に注意しなければいけないのも、ゴルフ取材独特のもの。ショットタイミングまではシャッター音をならしてはいけません。そしてグリーン上を選手が走ることはないものの、スイングスピードは超高速です。

一眼カメラは使い慣れていた気持ちでいましたが、実際その現場に立ってみると、、、カメラシステムの総合力が求められるスポーツの現場だと身をもって体感しました。

そんな中、ベストの機材として、ソニーのαを愛用してくださっているプロフォトグラファーの皆さまにたくさんお会いでき、イチ広報担当として心から感動したソニーオープン・イン・ハワイでした。

メディアルームの入り口。写真確認・記事執筆・機材整備・デスクとの確認はもちろん、フォトグラファー同士の交流も活発です。進行中の試合スコアが刻一刻と変わる中、撮影の順番を瞬時に組み上げます。
開幕前からハワイ入りして、万全の準備で挑むサポートチーム。フォトグラファーを現場で支えるBen。
筆者もまけじと撮影にはげみました。”ロープ外で撮影OK”のパスで3日間歩き続け、プロ(ゴルフ選手&写真家)の皆さまの背中を追いました。上の写真は、松山英樹選手のパーティについています。とても楽しかった!

余談ですが、、筆者は、ポケットがたくさんある撮影用ベストを東京で勇んで購入し、プロフォトグラファー気分を高めていたのですが、それについてJJ田辺さんが笑顔で一言。「最近はフィルムの替えを持ち歩く必要もないし、レンズの性能もよくなって何本も必要なくなったから、ベストを着ている人は少なくなったね~」。カメラの進化がこんなところにも!

ベストを着こむ筆者。気分が異常に高まるので、着用のまま会期中すごすことに。
筆者の撮影セットはこちら。

2025 ソニーオープン・イン・ハワイの開幕もいよいよ近づいてきました。どんなドラマが展開されるのか、今から楽しみです⛳

執筆:広報部RT。前編・中編・後編とお付き合いくださり、ありがとうございました。最終日にお会いした、ソニーオープン・イン・ハワイに日本から18年間通うファンの方のコメントを最後に紹介します。「このトーナメントの魅力は、フレンドリーな観客、ハワイの素晴らしい気候、選手の方の朗らかな笑顔など、ほかのPGAとはひとあじ違う魅力がたくさん詰まっている」。このツアーの魅力は、毎年たくさんのファンを惹きつけています。