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最新!”プラスチックフリー”なソニーの商品パッケージまとめ
ソニー広報のYAです。
毎年7月は「Plastic Free July」と言われる世界的な脱プラスチック月間に定められています。これは、使い捨てプラスチックの使用を控えることでプラスチックごみの削減を目指す、オーストラリア発祥の脱プラチャレンジです。
日本でプラスチック製のレジ袋が有料化されてから3年が経ちましたが、そのスタート日も実は7月1日。脱プラチャレンジの輪は世界に広がっていることがうかがえます。
そこで今回は、Plastic Free Julyにちなんで、“プラスチックフリー”なソニーの商品パッケージまとめ【最新版】をお届けします!
オリジナルブレンドマテリアルがパッケージに採用された商品、緩衝材として含まれる発泡スチロールゼロを実現した商品など・・・ソニーが取り組む小型製品の「プラスチック包装材の全廃」(※1)に向けた最新の事例をご紹介します。
記事の最後では、ソニー株式会社の環境プロジェクトでオリジナルブレンドマテリアルを担当する坪井さんに「オリジナルブレンドマテリアルの今後の展望」をお聞きしています。ぜひ最後までお見逃しのないよう、、、!
オリジナルブレンドマテリアルとは・・・
オリジナルブレンドマテリアルは、ソニーが開発した紙素材です。石油由来のプラスチックなどに頼らず、竹、さとうきび繊維、リサイクルペーパーを原材料とする環境に配慮した素材を採用しています。
ソニーの幅広い商品のパッケージへの展開を見据えて何度も材料の配合調整を行い、自由に成形できるようにしたことも特長で、現在ではオーディオ、Xperiaスマートフォン、Vlogカメラなど全部で12種類の商品で使われています。
開発のきっかけは、クリエイティブセンターのメンバーやメカ戦略エンジニアを中心とする社内のボトムアップ組織の中で生まれた「商品のサイズに対して、包装材や取扱説明書が大きすぎるのでは」という課題意識。そこから「お客様とのコミュニケーションを通じて、自分たちができる環境への取り組み」を目指して企画・開発がスタートしました。
新たな挑戦が進むオーディオ商品のパッケージ
ソニーの商品で初めてオリジナルブレンドマテリアルをパッケージに採用したのは2021年6月に発売した完全ワイヤレス型ヘッドホン「WF-1000XM4」です。最新機種の「WF-1000XM5」のパッケージにも採用しています。
オリジナルブレンドマテリアルは、ソニーのヘッドホン製品などのパッケージでの活用が増えてきているものの、この7月(※2)発売の“新しい視聴スタイル”を提供するポータブルシアターシステム「HT-AX7」のパッケージへの採用にあたっては開発面での苦労も…。
HT-AX7は、ヘッドホンよりも重く、大きい製品であるため、二重構造にして強度を高める工夫を施すことで、強度だけでなく衝撃吸収力を確保することにつながり、内部の緩衝材をなくすことにも成功。
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インクルーシブデザインの観点からもこだわりを感じられるパッケージ
さらに広がるソニーのプラスチックフリー
アースデー(地球の日)にあわせて、さまざまな製品における環境負荷軽減の取り組みを紹介する投稿から約1年、小型製品のプラスチック包装材全廃に向けた取り組みはさらに広がっています。
〇ELF-SR2
2023年6月発売の27型の空間再現ディスプレイ「ELF-SR2」では、個装パッケージに紙素材による段ボールとパルプモールドの緩衝材を採用することで、プラスチック素材である発泡スチロールの使用ゼロ(※3)を実現しています。
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本商品で初めて個装パッケージの発泡スチロール使用ゼロを達成
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〇VLOGCAM ZV-1 Ⅱ™
6月発売、Vlog(ブイログ)などの動画撮影を楽しめるVLOGCAM™シリーズのデジタルカメラ「ZV-1 Ⅱ」では、商品を保護する袋に植物由来の不織布や紙製の袋を使用。梱包時のプラスチック削減を進めています。
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高い緩衝性と脱プラスチック化の両立を目指す
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〇Xperia 10 V
6月発表、8月発売予定の5G対応スマートフォン「Xperia 10 V」では、商品箱と本体トレイにオリジナルブレンドマテリアルを採用しています。新規モデルのすべてのパッケージに対応しているなど、ソニーの中でも積極的な取り組みが進むXperia。業界の中でも先駆的といえる「Xperia PRO- I」の個装パッケージのプラスチック使用ゼロは最新作にも引き継がれています。
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素材が持つ自然由来の色合いを楽しめるデザインに
〇音楽・映像パッケージ用ディスクトレイ
5月、ソニー・ミュージックソリューションズがオリジナルブレンドマテリアルなど、環境に負荷の少ない素材を使用したディスクトレイを開発。既存のプラスチック製のトレイに対して約97%の石油系プラスチック削減を実現しています。CD、DVD、Blu-ray、Ultra HD Blu-rayの光ディスク全種に対応しており、今後はエンタテインメント業界への販売を予定しています。
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採用することで、石油系プラスチックの大幅な削減に成功
〇におい提示装置「NOS-DX1000」
3月発売、においに関連した研究や測定を行うためのにおい提示装置「NOS-DX1000」にもオリジナルブレンドマテリアルを採用しています。主に、医療機関や研究機関、自治体などで用いられるこの商品では、被験者ごとに取り換える使い捨てのノーズガイドに、オリジナルブレンドマテリアル、そしてトリポーラスという余剰バイオマスである米の籾殻から生まれた天然由来の多孔質カーボン素材を独自配合した、無臭かつ環境に配慮した新素材が使われています。
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「嗅覚」に関する技術で新たな価値の創出を目指す
〇mocopi
1月発売のモバイルモーションキャプチャー「mocopi」は、コンセプトである「ちいさくて、かるい」を体現するかのようなポップなパッケージ。個装の商品箱に箱内のトレイ、包装材でプラスチック使用量ゼロを実現しています。
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アクセシビリティにも配慮
「オリジナルブレンドマテリアルが持つたくさんの“可能性”で、ソニーの環境活動に貢献する」
環境プロジェクトでオリジナルブレンドマテリアルを担当する坪井さんは、オリジナルブレンドマテリアルについて「可能性を持つ素材」と話します。
竹、さとうきび繊維、リサイクルペーパーの3つからなるオリジナルブレンドマテリアルですが、たとえば、衝撃から守るために強固なパッケージにしたいときは竹を多く配合する、商品をやさしく守りたいときはリサイクルペーパーを多く配合するなど、用途に応じて配合率を変えることで、さまざまな場面で活用することができます。
また、ソニーが掲げる環境負荷ゼロを目指す取り組み「Road to ZERO」においても大きな貢献の可能性を秘めているといいます。1. 資源 2. 気候変動
3. 化学物質 4. 生物多様性の4つそれぞれでゴールが設定されており、達成に向けた行動が求められますが、中にはハードルが高いものも…。
しかし、オリジナルブレンドマテリアルは
新たな採掘資源ゼロ
CO2排出量ゼロ
原材料からの徹底管理
自然環境との共生
と、各項目で目標達成に向けたアプローチが可能な点で、ソニーの環境活動をリードできる存在になれるのではないかと考えています。
また、Earth hacks社による「デカボスコア」の調査で、WF-1000XM4のパッケージが従来のものと比べて二酸化炭素排出量63%オフを実現したことがわかっています。
デカボスコアとは・・・
「従来の素材や手法で作られた製品とEarth hacksで紹介している商品のCO2eを比較してどれくらいのCO2排出量を削減しているかという数値を可視化」したもの
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63%オフを達成
そんな可能性あふれるオリジナルブレンドマテリアルのさらなる進化について、「社内外から良い反応や期待の声が寄せられているので、ソニー以外でも、より多くの方々に使っていただくことができないか検討したい」とのこと。
以上、今回は“プラスチックフリー”なソニーの商品パッケージまとめをお届けしました。パッケージにもたくさんの思いが込められていることが伝わっていたらうれしいです。
※1 ソニーでは2021年度から2025年度までのグループ環境中期目標として「Green Management 2025」を策定しており、新しく開発した小型製品の「プラスチック包装材の全廃」に向けた取り組みを進めています。
※2 2023年7月21日発売予定
※3 個装パッケージ内に緩衝材として含まれる発泡スチロールを指します。
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