見出し画像

【エンジニア生成AI座談会】Googleの「生成AI活用事例集」に掲載されたシステムについて聞いてみたら、ソニックスの未来が見えてきた

こんにちは!人事戦略部の小田です。
先日、ソニックスの生成AI社内活用事例が、Google Cloudの生成AIサービスを活用した革新的な事例を集めた「生成AI活用事例集」に掲載されました!

そこで、今回は「生成AI活用事例集」に掲載されるきっかけとなった、社内ハッカソンやGoogle 生成AI Innovation Awardへの応募について、エンジニアの立花さん・昆野さんに話を伺いました。


【参加メンバー】
立花さん
ソニックス創業メンバー。詳しくはこちらの個人インタビュー記事をご覧ください。

昆野さん
新卒でソニックスに入社。現在3年目。社内ハッカソンや技術戦略ワーキンググループ(※1)にも参加。

※1 技術戦略ワーキンググループ:SonixのAI戦略やベースとなるモバイル/Web等の技術の他、「移動DX(モビリティ)」や「まちづくりDX(SmartCity)」に将来必要不可欠な技術について扱い、ワーキンググループメンバー間で学び研鑽の場とするとともに、Sonixの技術戦略を考えていく取組み

始まりは「社内ハッカソン」

Google Cloudの「生成AI活用事例集」掲載、おめでとうございます!
今回は事例集掲載までの経緯や「生成AI」についてお伺いできればと思います。よろしくお願いします!

早速ですが、「生成AI活用事例集」に掲載される『きっかけ』は何だったのでしょうか?

立花さん:「Google 生成AI Innovation Award」に2案応募して、そのうちの1つがGoogle Cloud の生成 AI サービスを使った事例を集めた「生成 AI 事例集」に掲載されたという流れでした。

なぜ「Google 生成AI Innovation Award」へ応募したのですか?

立花さん:もともと社内ハッカソンを何回かやっていて、「ChatGPT」や「IoTデバイス」を使った面白いものが作れたけれど、それを発表する場が他にない。ハッカソン内だけで完結していて。それはそれで悪くないけれど、広がりが無いなと思っていたんですよ。
で、「今、AIをやらなかったら面白くないな。絶対に何かしよう」と思った時があって。その時に、たまたま「Google 生成AI Innovation Award」を見つけたので応募してみようと。社内ハッカソンや生成AI活用アイデアを社内公募して、Awardに2案応募しました。

社内公募ではエンジニアの方はもちろん、エンジニア以外のメンバーもアイデアを出していたのが印象的でした!
社内ハッカソンは「生成AIに関する研究」がテーマでしたね。

立花さん:その後の生成AIの動向を見ると、ハッカソンでやっていた内容の応用編に近いものが出ているので、やっぱりその時に取り組んだ内容は、すごい良かったなと思います。

生成AIを使うコツとは?

生成AIを使う際に工夫していることは何ですか。

立花さん:やっぱりプロンプトですね。生成AIに何という投げ方をして回答を得るか。これは別に人を扱う場合でも同じですけどね。適当なことを言えば、適当な結果しか返ってこないし。
生成AIを使えば使うほど、いかに自分は傲慢だったか感じます(笑)。

昆野さん:そうですね(笑)。生成AIのモデルによってはちょっとキレ気味で返答してくることもありますね。

立花さん:そういうのを把握するためにも、プロンプトに「無理難題を押し付けていたら、その旨教えてください」と予め一行入れておく。

昆野さん:プロンプトエンジニアリング的な発想ですね。「Chain-Of-Thought」っていう、途中過程を説明させることでより精度が上がる手法です。

昆野さんは「生成AIに関する研究」をテーマにした社内ハッカソンに参加していましたね。生成AI活用の社内公募でもアイデアを出してくれました!
ハッカソンでやっていた内容はどんなことですか?

昆野さん:「『もしも』から始まる生成AIの活用法」がテーマです。自分たちが提示した未来に対してAIが回答して、それがまた新しいデータになったり。さらにもっと先のコンテンツとして自分たちの「もしも」があったらという内容です。新しいコンテンツが作れたり、未来の社会とか未来の移動形式が作られたら、っていう。大分、先の話ですけど。

立花さん:「もしも」っていうデータからさらに一個先、「その場合は、こういうことができたよ」とか「こうなるよ」とか。そういう未来を予測するような、プロアクティブな仕組みですね。

未来予測できるなんて、すごいですね!苦労したことはありましたか。

立花さん:構成的には完璧なんですが、最後に動画としてアウトプットをするところが上手くいかなかった。動画を生成するモジュール部分が全然ダメで。
でも、今の技術だったら上手くいくんです。それは今年の4月~6月のタイミングでものすごく生成AIが進化したから。
これまでの技術革新って「段階的に」「緩やかに」上昇して行く感じがあったんですけど、生成AIに関しては、生成AI自身が学習データを作り出していく。ものすごく早いサイクルがある故に、技術革新のスピードが非常に早い。想像を超えるものしか出てこない。

生成AIで業務の垣根による煩わしさが無くなる

「生成AI活用事例集」に掲載された事例は「現場の営業担当者が生成AIを通して案件の技術的実現性を判断する」というものでしたね。
こちらについても詳しく教えて下さい。

立花さん:「Vertex AI Search」と生成AI「Gemini」を使用して、営業担当者が社内の技術領域の情報を取得し、より迅速で効率的な営業活動を行えるような仕組みを作りました。
見込み顧客へのアプローチをする際、営業から僕に技術的な事で「これってどういうことですかね」と問い合わせが来ていました。
それ自体はいいことだと思うんですけど、生成 AI であれば、社内ナレッジやソースコード、技術動向などから近しい技術を持っているのか、それとも埋められないものなのか等の確度を営業担当のみで測ることできるようになります。
例えば、お客様から問い合わせがあったときに、いちいちエンジニアに聞かなくても「自社の保有する技術で実現できる案件であるか」、もしくは「現状では出来ないが、この部分を解決すれば実現の可能性がある。業務提携をすれば出来る。」ということが分かる仕組みです。

「現状では確度が低くても、こうすれば出来る」ということまで分かるんですね。

立花さん:確度が100%じゃなくても、足を運んで、つなげて、案件化することが、やりがいがあって楽しいと思う。
ドラマとかでもよくあるじゃないですか。営業が駆け回って、つなげて、何とかするみたいな。「下町ロケット」みたいな。ああいう仕事がやりやすくなると思う。

索拡張生成(RAG)システムも作ってみた

昆野さん:「社内ナレッジやソースコードから判断する」といえば、OpenAIが社内で管理しているデータを元に回答してくれる検索拡張生成(RAG)システムを作ってみた、という話もありましたよね。

検索拡張生成(RAG)システムを作ったきっかけは何だったんですか?

立花さん:当時、生成AIで問題になり始めたのが、ハルシネーション(Hallucination)。まあ、今も問題になってますけど。
要はAIが嘘を教えてくるケースがあるんです。それを防ぐ仕組みとしてRAGと呼ばれるものがあって。それを作りたいなと思ってやり始めたっていう感じですね。

昆野さん:Awardに応募した案とは別ですが、社内で管理している技術についてのデータ、例えば個人のリポジトリやプルリクエストから、個人単位での技術力もある程度は判断できるかなと思っています。

お話を聞いていると営業以外の部門との連携も出来そうだと感じました。
昆野さんがおっしゃっていた個人のリポジトリやプルリクエストのデータをもとに最適な人員配置も導き出せそうです。
例えば「過去に経験した技術の発展形だから、このプロジェクトをやってみない?」とエンジニアに提案したり。エンジニア自身の成長につながる業務を適切に割り振れると良いですよね。

立花さん:そうそう。「ソフトウェア開発における業務の垣根に注目した生成AIの活用」というテーマなので、営業だけじゃなくて「人事とエンジニア」、「PM(プロジェクトマネジャー)とエンジニア」でもそうだし。

「PMとエンジニア」という関係だと、プロジェクト内のタスクの割り振りも出来そうですね。過去にこういうプルリクエストを出しているから、それを応用したこの機能の担当に向いているな、とか。

立花さん:業務の垣根によって、煩わしくなっているものがあるじゃないですか。その煩わしさを生成AIによって取り除いていくことが出来ると思う。

まさに「ソフトウェア開発における業務の垣根に注目した生成AIの活用」ですね。

実は「ソニックス」らしい技術

事例集に選出されたのは、どういった点が評価されたのでしょうか。

立花さん:今まであまりない領域だった点が評価されたと思う。これまでの生成AIソリューションというのは「誰かの作業を効率化する」っていう個人的なものが多かった。
でも、この内容はどちらかというと「誰かと誰か」。個人の効率化だけではないんですね。「一人の力では限界になっていたこと」「誰かの頭を借りないとできなかったこと」ができるようになってる。これは多分、効率化だけじゃないんですよ。そういう部分が、すごい評価された。

確かに、他は個人に焦点を当てている事例ですが、これはチームワークに焦点を当てていますね。
チームワークを重視する「ソニックス」らしさを感じます。

他にはどのような点が評価されたのですか。

立花さん:もう一つは、アーキテクチャ上の理由で「定期クローリング」。
Googleの基本的な使い方で言うとクラウドストレージにファイルをアップロードする際、どういう形でアップロードするかは完全に作り手に委ねている状態なんです。そこを自動化する仕組みを入れている。
どこどこにあるファイルを自動で上げるとかでは無くて、なんかのサイトとか、そういうところからAPIが提供されていないものをうまく自動的に収集して投入する仕組み。
これも、ある意味「ソニックス」らしいんですよ。

「ソニックス」らしい、とは?

立花さん:なんでかっていうとソニックスは「* Scirocco Cloud (*  ソニックスの自社製品。国内初のスマホアプリ・サイト検証の自動化プラットフォーム。)」を出していましたね。
そこではテスト自動化を中心にやっていたんです。テストを自動化するということは、ウェブサイトも対象になりますから、ウェブサイトに対して自動的に何かを操作する技術力・ノウハウがあるんです。
そこの技術っていうのは、例えば「RPA」って言ってロボットを活用して、人がやっていたものをどんどんロボットに任していくというソリューションがあるんですけど、それに近しい。
その要素が入っているのが他と違う。ただ、単に「生成AIを活用しました」ではなく、それがちゃんと回しやすいような仕組みっていうところ。

ブレイクスルーが起きる

今までのソニックスの技術の積み重ねが活きているんですね。

立花さん:活きてます!Scirocco Cloudは2012年にサービスを開始して、2020年までやっていたので、約10年ぐらいの積み重ねがあります。

昆野さん:なんかソニックスにブレイクスルーが起こっているみたいですね。

立花さん:ブレイクスルーは起きると思いますよ。
あとは、生成AIを使ったサービス・ソリューションを提供する側として求められる責任っていうのがあるじゃないですか。「いや、それ生成AIが作ったものなんです。すみません。」とはならない。
その「葛藤」が、きっとあるぐらい。でも、そこを強い意志をもって「生成AIを使っていくんだ」ってなったら、それはもう凄いことになりますよ。

ソニックスのさらなる発展が楽しみですね!!立花さん、昆野さん、ありがとうございました!


Google Cloud Next Tokyo’24の事例ブースミニセッション登壇の様子

事例集に掲載された「主に営業部門におけるGeminiを活用した社内業務効率化の取り組み」については、Google Cloud Next Tokyo’24の事例ブースミニセッションに登壇して紹介いたしました。事例ブースミニセッションにお越しいただいた皆様ありがとうございました!

最後にミニセッションに登壇した際の様子も少しだけ紹介します。

熱く語る立花さん
システム構成図についても説明中。ブースにお越しいただいた皆様ありがとうございました!


ソニックスでは、今後の事業の急成長に向けて、会社をともに作り上げていく仲間を募集しています。この記事で興味を持った方は、ぜひ一度、以下の採用ページをチェックしてみてください。ご応募お待ちしております!

採用特設サイト

新卒向け マイナビ2026
https://job.mynavi.jp/26/pc/search/corp210272/outline.html

中途採用 求人一覧

#オープン社内報 #社員紹介 #エンジニア採用
#AI #生成AI


この記事が参加している募集