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自分軸と社会軸(中学校編①)

自分と社会を二軸にして、エッセイを書こうと思います。自分の人生の大きな転換点として、中学時代から話を始めたいと思います。

今思えばそんなに大したことではなかったけれど、入学当初は中学校がすごく嫌だったんです。
どこの地域でも多かれ少なかれそういうものかも知れませんが、中学生になるとみんなちょっとだけ不良になりました。ジャージをダラしなく着て、くるぶしソックスが流行りでした。美術や家庭科の授業では、生徒達はいつも喧しく授業が全く進みませんでした。

ぼくは真面目なタチで学級委員や生徒会をやっていましたから、不真面目な生徒達にいつも腹を立てていました。
みんな頻りに恋バナをしていたけれど、その中心はいつもチャラいバスケ部やサッカー部で、軽い気持ちで付き合ったりするなんて馬鹿馬鹿しいと思っていました。
「真面目なやつはダサい」みたいな雰囲気がありクラスの大半は信用できなかったので、ぼくはほんの数人の友人にのみ心を許し、やや孤立ぎみでした。

そんなわけで学校が全然楽しくなかったんです。
中1の5月から「早く卒業したい」とばかり言っていました。中二病かどうか分かりませんが、「強くなりたい」とか「大人になりたい」とか、そんなことばかり思う時期でもありました。

中学2年の秋だったと思います。
父親が、当時のぼくでも分かる英語の名言を教えてくれました。

“If you want to be happy, be.”

幸せになりたいなら、なりなさい。
トルストイの言葉です。

父は「幸せかどうかは自分次第。幸せになろうと思ったらなれるんだよ」と教えてくれました。
それを聞いたぼくは、学校について考え直すようになりました。

学校には面白いことが何もないと思っていたけれど、それはぼくが嫌々通っていたからではないだろうか。強制的にやらされることもあって、やりたくてやってるものばかりじゃないけれど、でも、どうせやるなら楽しんだ方がいい。
最初からつまらないと決めつけているからつまらないのであって、全力でやってみたら違うかも知れない。
そう思って、何事も全力で楽しもうと、人生をEnjoyしようと心に決めました。そしたら、クラスの連中のバカ騒ぎも、それはそれで楽しいような気がしてきました。

12月、生徒会選挙の立会演説会がありました。
そこでぼくは全校生徒を前に、“If you want to be happy, be.”をスローガンに掲げました。
幸せは誰かから与えられるものではなく、自ら見出すもの。生徒が自らの手で学校をより良く、楽しいものにしていくのだ。
そのための「生徒会」である。

こうしてぼくは、自分の人生を自ら歩み出すようになりました。それから、ますますクラスで浮くようになり、以降「変わったやつ」として生きていくことになったのです。
【続く】

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