声の個性は型の習得から
こんにちは!高槻・草津ボイストレーナーの安田結衣です。
猛暑でおうち時間が長くなったので、一気に10冊ほど本を買って読んでいます。(たまに発作のように本を読みたくなりませんか?)気分に合わせて本を選ぶのが楽しい今日この頃です。
さて、今日は声の個性について書いていきたいと思います。
あらかじめご了承いただきたいのですが、声の個性について私は明確な答えを持っていません。個性という枠に収めるには勿体無いくらい、声には可能性があると感じているからです。
個性との出会いは宇宙の始まりと同じ
そのため声の個性を伸ばすという言葉は、例えるなら宇宙の始まりのような、途方もない奥行きを感じるものなのです。だから「私に似合う曲はありますか?」と聞かれた際は内心めちゃくちゃ色々考えます。
私が皆さんの声を「こんな声だからこれが合ってる」とラベリングしたとして(それは結構簡単です)その声はまだまだ未知の可能性の塊です。
だけど、声の世界に入っていくきっかけって「ねーねーこれ歌ってよ!」という他者からのバトンだったりするんですよね。
最初はそのバトンをとにかく受ける時期があって、そこから誰かに喜んでもらったり、自分の個性の片鱗が見えて嬉しくなるものです。だけどそれだけを追い求めてしまうと、いつか個性に悩む時期が来ます。「あの歌手の真似をしているだけなのではないか」「私は何がしたかったのだろう」と。
「私にはもっとこんな個性があるはずだ」と誰かにふともらったバトンを大事に抱えて、苦しんだ時期もありました。
他者のバトンをどう受けていくか
そういった経験を経て、バトンを受ける時に気をつけるといいことが分かってきました。
それは、
・最初から個性を限定して伸ばそうと思わない方がいいこと
・個性を評価されて嬉しくなるのは案外最初だけということ
・結局は自分がどうしたいかに委ねられているということ
です。
矛盾するようですが、個性を得るには一定期間型にはまる時期が必要です。その中で何度同じことをしてもどうしてもはみ出してしまう部分や、譲れないこだわりがその人の個性になるのではないでしょうか?
何にでも言えることだと思うのですが、技術は一朝一夕には身につきません。どうすれば型を楽しめるかを試行錯誤することも大切です。
ボイストレーニングは型にはまって個性を失わせるものではなく、型にはまることで声の可能性を広げ、そこから取捨選択をする自由を得るためのものでありたいと思います。
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