あえて選んだせまい家 【somo somo! ブックス】
著者: 加藤 郷子 出版社: ワニブックス
今年の春から一人暮らしを検討している。どんな部屋に住みたいかと考えたとき、「狭小住宅」が頭に浮かんだ。半径1m以内で日常生活が完結する。それがわたしの理想であるからだ。しかし、予想以上に反対意見を耳にする。ならば、実際に狭小住宅の人の意見を聞きたい!そう思い、本書を手に取った。
狭小住宅に住んで1番頭を悩ますのは「収納」だろう。本書に登場する方達は、固定概念に縛られない考え方で解決している。家の中ですべてを完結しようと考えず、調味料であれば隣のスーパー、絵本であれば児童図書館、ゴミであればマンションのゴミ箱と、利用可能なスペースをすべてを収納と捉えている。また、部屋内の収納でも、ベットの下に収納を作ることはもちろん、靴箱も棚板をいれて下着入れにしてしまうほどの徹底ぶりである。収納にこだわっているからといって、ものを買わないわけではない。生活の必要な家具であれば、大きいソファーやテーブルを購入するし、洋服も購入する。ひとつのものが複数の機能を果たす、いつか使うだろうというものは廃棄する。これらを心がければ、狭小であろうとも快適な生活が送れるのである。
本書に登場する方達のみなさんが、最初から狭小住宅に住みたいと思っていたわけではないと感じる。立地と引き換えに狭小を選択しているとはいえ、収納はたくさんあれば嬉しいはずである。しかし、生活するなかで「部屋が把握、管理できることが非常に楽」と気づき、あえて選んで狭い暮らしを選択するようになっている。そんなあえて選んだ狭い家で快適に過ごしているのを読むと、やはり狭小住宅に住みたくなってしまうのである。
written by 左利きは僕のあこがれ
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