【南チロルの風】コラム10で紹介したワインの案内

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「これは南イタリアのサッシカイアだ」

そうロバート・パーカーに言わせたワインの作り手はモンテヴェトラーノのオーナー、シルヴィア・インパラート氏。彼女はローマで人物写真を撮る写真家でした。一人の顧客との出会いが彼女をワインの虜にしてしまい、ローマのエノテカで企画された試飲会へ参加するようになりました。そこで知り合ったレンツォ・コッタレッラ氏に相談をし、彼女の好きなカベルネベースのワインをカンパーニャ州で作ることになったのです。場所はサレルノよりほど近い丘陵地帯にある、中世からその場に残るモンテヴェトラーノ城。

彼女の家族が1943年に購入し、週末の別荘として使っていた場所。その麓にある畑に1987年カベルネを植え、1988年にはレンツォのお兄さん、リカルド・コタレッラをワインメーカーとして雇い入れます。初めてのヴィンテージは1000本のみ生産した1991年。それから近年出されたヴィンテージの2005年まで、多くのワインガイドからたくさんの賞を獲得。とりわけイタリアでも屈指のワインガイド、ガンベロ・ロッソでは1993年から2005年までの13年間で12回の最高評価トレ・ビッキエーリを獲得。

60%のカベルネ・ソービニヨンをベースに、30%のメルロー、10%のアリアーニコのブレンド。品種により8ヶ月から12ヶ月の樽熟成が行われ、その後6ヶ月の瓶内熟成を経て商品化。


 外観は濃いルビー色でとても凝縮感があり、香りは赤果実から甘いスパイス、カカオ、タバコのようなニュアンスが入り交じり、そして口中に広がるボリューム感、深みのあるタンニン、カベルネ特有の香りと共に広がる後味をきれいな酸味でしっかりまとめたような味わい。
 

このワインが獲得したたくさんの賞は、シルビア氏に訪れた出会いがワインの情熱へと代わりそれが形となった賜物なのですね。そんな彼女の情熱がひしひしと伝わってくるワインです。

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