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池袋の交通事故
池袋での、幼子と若い女性が犠牲になった交通事故について、被告の老人は無罪主張とのニュースを読んで、自身のアルバイトしていた時の経験を思い出しました。
当時私はレジを担当し、お客は若い夫婦でした。
夫婦は、家電を大量に購入しました。家電は保証書を発行しなければならないので、私は先にお釣りを渡し、急いで大量の保証書の発行に取り掛かっていました。
全てが終わり、ありがとうございました、と申したところ、妻が言いました。
「お釣りもらってないんだけど」
私は「え?!」と混乱しながら、
「いえ、保証書よりも先にお渡しさせていただきました」
と答えましたが、妻は
「もらってない、どこにもない」
の一点張りでした。
私は、お釣りを渡し忘れていれば、レジのお金が合わないので確認します、と言って、
業務時間中にお金を全て数えました。
結果、レジのお金はプラスマイナス0
合っていました。
もしかしたら私の勘違いかも?と内心心臓バクバクだった私は、ほっとして、
「レジのお金はやはり合っていますので、お釣りはお渡ししています」
と言いました。
妻は言いました。
「いやもらってないから」
お釣りは間違いなく渡したし、レジのお金も合っているのに、、、
私は混乱しかありませんでした。
騒ぎを聞きつけた店長に事情を説明したところ、レジ横の防犯カメラで確認するから、少し待つように、と指示があり、その間若夫婦にも待機してもらいました。
店長がビデオを巻き戻しながら確認し、問題となっている瞬間まできたところで、
私、店長、若夫婦で、お会計の瞬間を確認しました。
そこには、お釣りを渡している私の姿と、受け取ってバックにしまっている妻の姿がはっきりと写っていました。
よかった、、、やっぱり間違いなかった、、、
今度こそお釣りを渡していたことが証明されたと心底ほっとしました。
夫は
「確かに、受け取ってますね。疑ってすみませんでした」
と私に詫びてきました。
すると横にいた妻が言いました。
「でもないもん!もらってない!」
私は言葉にならず、何も言えませんでした。
レジも間違っていない、防犯カメラにお釣りの受け渡しも映っている、それでもなお、無いと言い張るのか、、、と絶望した気持ちです。
幸い夫が我々の主張に納得してくれたので、最後まで妻は認めませんでしたが連れ帰ってくれました。
この時は、とりあえずよかった、と思っただけでしたが、池袋の交通事故の無罪主張を知り思ったのです。
第三者に客観的証拠を突きつけられようが、近しい人に説得されようが、自分の正義は絶対に曲げられないのが人なのだと。
あの時の妻も、妻に問われている被告の老人も同じなのだと。
無罪を主張している被告の真意はわからないので推測でしかないですが、
あの時の妻を思い出して考えると、被告は事故の原因は車の暴走と信じて疑わず、自分に非は一切ないと、それが被告の正義なのです。
検察がどれだけの証拠を集め提示しても、メーカーが車の正常性を訴えても、自身の考えを改めることはないでしょう。
自分の非を認められないのは、とても残念で、愚かで、悲しいことです。
この事件は、感情だけで被告を責め立てるのではなく、
ここまで客観的事実を突きつけられても、罪を認められず、悔い改めることもできず、償いもできない人間の行く末、という意味で、明日は我が身と肝に銘じて結論を見届け、忘れずにいたいと思います。