たった2時間で作るボードゲーム(明地宙✕米光一成「ゲームづくり道場」)
こんばんは!
ボードゲームデザイナーの明地宙と申します。
先ほどこの未知のチャレンジが無事に終わり、鮮度が高いうちにと筆をとった(正しくは投稿ボタンを押した)次第です。
以前、「たった3時間で作るボードゲーム」と題してこのようなnote
を公開したところ、ありがたいことにたくさんの反響をいただきました。(初のnoteにも関わらず、です!)
その中で、なんと!
あの「ぷよぷよ」や「はぁって言うゲーム」などを手がけた米光一成氏(以下、米光先生)も読んで下さったようです。
ゲームマーケット2023春に米光先生のブースへご挨拶に伺った際に
「オンラインで、あれ、できないかな?」
と、このお話をいただきました。
光栄に思うのと同時に、視聴者にはゲームデザイナーや識者の方も多いということで、これは「素人質問で恐縮ですが…」をやられるやつなのでは?!
と震えてもいました。
上杉真人×米光一成『ゲームのおもしろさとその作り方』が聞きたくてこちらの「ゲームづくり道場」の購読を始めたので、まさかこの回の次を自分が担当することになるとは思ってもいませんでした。
※ちなみにこの『ゲームのおもしろさとその作り方』は歴史に残る回だったのでアーカイブのご視聴を強くお勧めします。
米光先生と一度オンラインで打ち合わせをして「オンラインで、みんなで、2時間で作ってみよう」という未知のチャレンジが決定し、準備がスタートします。
◆大学での授業を経て
この未知のチャレンジが成功したのは、このチャレンジ前に行った授業の経験の存在が大きいと思っています。
この90分の授業では講師は席を離れることなく、ユドナリウムを通じて学生のルームに出入りしてコミュニケーションをとるという方式をとりました。
この方式に手応えを感じたので今回のチャレンジもきっと上手くいくだろうと自信を持つことができました。
※ちなみにこの回のレギュレーションは「すごろく+α」な2人用対戦ゲームというものでした。
◆当日までの準備
今回のミッションの一つに「ユドナリウムの良さを伝える」というものがあったので見栄えの良い環境作りを目指しました。
そして動作テストもして準備万端で本番を迎える…!
…そう簡単にはいきませんよね。
普段はiPad一台で何でもやっているのですが、20名規模の接続だとさすがにスペックが足らず、かと言って旧式のPCを使うわけにもいかずで家電量販店にGO!
PCを新調して今度こそ万全で臨みます。(慣れないトラックボールでいいのか?)
完璧な環境を手に入れ、当日を迎えます。
◆未知の幕開け
少し早くZOOMに繋ぎ、米光先生と雑談。
参加人数は事前に分からなかったので「もしかしたら今回は少ないかな」と若干不安になったりもしていました。
しかしそれは杞憂で視聴者(参加者)は続々と増えていきます。
参加人数は最終的に私と米光先生を合わせて20名にもなりました!
20名規模の未知のチャレンジ、そして協力ゲームが始まります。
米光先生からご紹介いただいてからユドナリウムの接続手順をお伝えし、いざ、スタート!
◆タイムリミットは120分!
使える時間は限られています。
ユドナリウム上に用意していたスライド1枚ずつめくりつつ、大急ぎで自己紹介を終え、「明地式:ゲームの作り方」を解説していきます。
※読み終えたスライドを傍に置くことで、もっと読みたい方が自由に手に取って読めるようにしました。これは通常のスライドではできないことで良かったです。
◆明地式:ゲームの作り方
加筆修正は行っていますが、流れとしては前回の「たった3時間で作るボードゲーム」と大きくは変わりません。
・オンライン(前回:対面)
・2時間(前回:3時間)
・視聴者参加型(前回:チーム制作)
という点を除けば…
・着想
まずはこの名言を引用して発案のハードルを下げました。
そして、代表的な着想のスタート「メカニクス」「テーマ」「コンポーネント」「ゲーム体験」を紹介。
・企画
今回のレギュレーションはこんな感じです。
この「???」の部分をみんなで決めていきます。
ただ、このまま20名の意見を聞いて全て取り入れるのは困難です。
「船頭多くして船山に登る」という言葉もあります。
そこで!今回は「安価スレ方式」をとることにしました!!!
安価スレ、ご存じですか?
2ch時代の面白い文化の一つです。
参加者は自由にコメントを書き込み、進行役はそのコメントを参考に物語を進めていきます。(ちょっとTRPGみたいですね)
ここの特徴は進行役が指定した番号のコメントを取り入れるという点。
つまり、「メカニクス募集>5」と書いたらここから5番目のコメントの内容を参考にする、というわけです。
この安価スレ方式で次々と要素を決めていきます。
最初は企画のターゲット設定として、より細かい「ペルソナ」を決めました。
どんどん要素が盛り込まれ、人格が見えてきて面白かったです。
続いて「テーマ」です。1つだとふんわりしていたので今回は2つ決めました。
そして「メカニクス」。こちらも2つは欲しかったのでこうなりました。
「コンポーネント」はそもそもユドナリウム上で利用できるものに限られていたのでシンプルな結果に。
最後に「ゲーム体験」です。上記を参考に得られそうな体験を考えてもらいました。
上記を元に参加者からアイデアを募ります。
ここは早いもの順とし、矛盾するアイデアは今回は見送り、とさせていただきました。(この中にも面白いアイデアはたくさんありました!)
コメントを読むのが追いつかないほどたくさんのアイデアをいただき、大人数でやることの面白さと心強さを感じていました。
最終的にメモしたのがこちらです。
これを見るだけで面白そうですよね!
こうして大雑把ではありますが、企画が完成しました。
・試作
ルールを考えつつ必要なコンポーネントを準備していきます。
試作とは言いつつここも企画の続き的なところもあり、話しながら要素を整理していきました。
※参加者の皆さんが画像の手配や盤面の整備などをサポートして下さったのでこちらに専念できました。
試作は簡素なものでいいのですが、やはりイラストが入ると一気にモチベーションも上がりますね!
・テスト
残り時間が30分なことを確認し、米光先生と2人で動かしてみます。
このようなルールで行いました。(どなたかがメモに残して下さったようです)
何か一つ動作をするたびに課題が見つかり手探りで進めました。
収穫の多いテストと言い換えることもできますね。
※こういったテストと呼べないようなテストは普段ソロやメンバーとしています。
・調整+製造+発表
テストのフィードバックで残り時間わずかだったので、一度スライドに戻って最後まで解説させていただきました。
◆まとめ
2時間でもボードゲームって作れますね!!!
…と言うのはさすがに過言ですが、参加者の皆さんの貢献とチームワークが素晴らしく、無事に一連の過程を体験していただくことができました。
企画はもっとサクッと終わらせる予定だったのですが、皆さんのアイデアが面白すぎてついセレクションに時間をかけてしまいました。(参加者の所為にしているわけではないですよ???)
重要なところでは助言をいただくなど、困った時には米光先生を頼らせていただきました。
今回のチャレンジを協力ゲームとして見たら大成功だと思います。
皆さんのゲーム作りを楽しむ気持ちも伝わってきました。
未知のチャレンジでしたが、皆さんのおかげで楽しんで挑戦できたと思います。
一方で、私自身まだまだ力不足でまとめきれないところもあるな、時間管理が甘いな、などの反省点もありました。(そしてトラックボールは私にはまだ早かったようです笑)
反省点は今後に活かしつつこれからも研鑽を重ねていきます。
ここまでご覧いただきありがとうございました!
そしてご参加くださった皆さん、米光先生、ユドナリウム神、本当にありがとうございました!!!
◆いただいたご感想
◆ゲームづくり道場用ユドナリウムデータ
下記URLより今回使用したユドナリウムのデータをダウンロードできます。
ダウンロードしたZIPデータはそのままユドナリウム(https://udonarium.app/)で読み込むことができます。
※データにはスライドと机やオブジェクトが含まれます。(データのシェアはご遠慮ください)
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