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シネマティックな写真を撮るなら、アスペクト比を変えればいい?

いつもと違った写真を撮りたい。
そう思い立って、今回はSIGMA fpに搭載されている21:9というアスペクト比で撮ってみた。

この写真の比率が21:9
近所に柿が実っていた

没入感の正体は、アスペクト比

映画を観たとき、なんとも言えない没入感があるのは、映画館のスクリーンが大きいからというだけではないらしい。
その秘密は、アスペクト比。アスペクト比とは、画面や画像の縦と横の長さの比率である。
たとえば、Instagramだと画像投稿は縦横が同比率の1:1、YouTubeの動画だと横長の16:9といった具合だ。
映画に使われる21:9という比率は、少し横に長く、意外に広い人間の視界をカバーしているため、この没入感が生まれるらしい。

SIGMA fpの設定

では、アスペクト比を映画に使われるものにすれば、印象が変わり、シネマティックな写真が撮れるのだろうか?

SIGMA fpにはカラーモードという、写真を印象的に仕上げる色調整機能がある。
検証も兼ねて、あえて、カラーモードはスタンダードに設定してみた。

横長が活きる被写体を探す

では、早速、試行錯誤した結果をご覧いただきたい。

まずは、横長ということで、この比率が活かせそうなものを探した。

横に並ぶ鉢で横長の利点を活かしてみる
左右対称で直線を強調してみる
不規則に置かれたブロックで
なんとなくリズムを意識してみる

悪くない。
シネマティックかと言われるとわからないが、画の中の要素を増やさなければ、うるさくならないし、まとまりもいい。

では、ここに要素を増やした場合は…?

要素を増やす

早速、試してみる。

落ち葉とブロック
交差する部分を中心からズラしてみる
小学校の壁に描かれた絵
もう少し引きで撮っても良かったかもしれない
コーンから人へ視線が動くように
撮ったつもりだが周りの他の要素が邪魔をする
少し寄りにして左下から右上に
花が流れるように配置したつもり
左側に余計な草が入ってしまい奥にもピンクが…

正直、要素を増やせば増やすほど、難しい。
横が長いため、余計なものがたくさん入ってしまう。

だが、要素がないものばかり撮ると同じような写真が量産されるので、さらに工夫が必要そうだ。

空間を多めにとる

では、逆に空間を多めに取った場合はどうか?

ハトが斜め一線に揃う瞬間を待ってみた
左上の黒い石はない方が良かったが
いかんせん横長なので入ってしまう
どうしても要素が入ってしまうので
地面に落ちているものを撮る

人を画面に1人だけ配置する

要素を排除して空間を作ったが、これはかなりセンスが要求されることに気づいた。

今の私の技量だと難しそうだ。
となると、スタンダードに、主題・副題という考え方をしてみるか?

一番簡単なのは、人を主題に、背景を副題にするパターンだと思った。
だが、多数の人だと、要素を増やしていることになりそうなため、画面に1人だけ配置する撮り方をしてみる。

歩いている人
写真を撮っている人
歩く人

これは、分かりやすい上に、他の要素がごちゃごちゃしていても、人に目が行くため、ありかもしれない。

あえてごちゃごちゃさせる

ただ、今回は今までと違った写真を撮ることもテーマだ。
なんとか要素が多くても成り立つ写真を撮りたい。

ということで、要素も色も双方ごちゃごちゃさせ、バランスを取ってみる。

大久保はもはや海外のようで
派手な色合いのものが多い
大久保駅出てすぐに異国風空間が広がる
看板も人も多い場所

もはや、この方法でもいいのかもしれない。
ごちゃごちゃしていても、色の要素が豊富なら成り立っている気がする。
しかし、ここでふと気づきがあった。

特徴的な色を入れる

色の要素でごちゃごちゃしていても成り立つのであれば、特徴的な色があれば、そこに視線がいき、まとまっているように見えるのでは?

有名な写真スポット
丸の内線の赤と中央線のオレンジが目立つ
雑多に草が生えたり 浮いたりしているが
金魚の赤が目立つ

色々考えつつ、さまざま写真を撮ってみたが、結局このアスペクト比が綺麗に見えるのは、やはりスタンダードな「広さ」や「広大さ」を強調したものな気がする。

スタンダードに撮ってみる

これまでの試行錯誤を総合して考えると、結局スタンダードな構図で、広さを強調したものがいいのではないかという結論に落ち着いた。

人がいないタイミングでパシャリ
階段を上がってもいい感じだったので撮影
右の方にある文化財ウィークのぼりは少し邪魔だ(笑)
めちゃくちゃ広いように見える
赤が印象的
人の配置がバラバラしていて目線が散る
タイミングは重要そうだ
境内では結婚式が行われていた
この写真はもう少しホワイトスペースを
多くとれた方がよかった

シネマティックな写真は撮れたのか?

結論、撮れていないと思う。
想像通りだが、アスペクト比だけではなく、何をどのように魅せるかという技術が必要だと思った。

また、これは今回の検証外としていたが、全体の印象を決める色調もかなり重要な役割を担っている。
そのため、技術がまだ発展途上だけどシネマティックな写真を撮りたい方は、先に色調を変えてしまう方が簡単かもしれない。
(SIGMA fpにはシネマというカラーモードがあり、それを使うと一気に映画風になる)

結論、SIGMA fpの機能をフル活用すればよし!


📷SIGMA fp

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