富士山、眺めるのもまたよし。
今年は富士山の山梨県側の吉田口登山道を始め、静岡県側も登山口閉鎖となってしまった。歴史的にも初めてのことらしい。登る計画があった人には本当に残念なことだと思う。ただ登山を趣味としている友人には、富士山は登るより、眺めるのがいい山だよと言う人がけっこういる。
確かに富士山の美しく広がる裾野は、富士山自身に登るより遠くから眺めた方が味わえるはず。そこで富士山の見える山に登る、富士山が描かれた場所に行ってみる、富士山が見えると言われる場所に行ってみるのはどうだろうか。今年はそんな富士見旅を楽しんでもらえたらと思い、私の経験を紹介してみようと思う。
まず、やっぱり登山がしたいという人へ。高尾山からも天気がよければ富士山を望むことができるが、山梨県大月市は秀麗富嶽十二景という山頂からの富士山を紹介している。
私は過去に岩殿山に登ってみたことがある。桜ごしに富士山を眺められた。
大月市からの富嶽十二景はそれぞれの山から季節や時間帯で違う富士山が眺められるので何度も行ってみたくなる。
続いて、富士山が描かれた場所を旅するというのはどうだろうか。葛飾北斎、歌川広重、横山大観、多くの画家が富士山を描いている。富嶽三十六景ではないが、広重の東海道五十三次に描かれた場所の一つ、静岡県の薩埵峠に行ってみたことがある。
東名高速が通る現代の交通の要所からの富士山もこれまた見事。昔と今で同じ場所がどうなっているのか比べるのも興味深い。かっての東海道の宿場町である興津、由比を旅の途中で立ち寄るのもよい。由比には広重美術館があり、往時の東海道の浮世絵を鑑賞することもできる。
山梨県、静岡県から富士山が見えるのは当然かもしれないが、それでは富士山が眺められる地域はどのあたりまでなのだろうか。北斎や広重の富嶽三十六景によれば、三重県や千葉県からも見えるという。
私が最も遠くから眺めた富士山は房総半島の先端近く、千葉県館山市からになる。
夕闇に浮かぶ富士山のシルエット、こんなに遠くからでも望むことができるのかと感動した。
調べてみたら館山市からはダイヤモンド富士も見られるらしい。各地のダイヤモンド富士を眺める旅。そんなテーマの旅もいいかもしれない。
これを書きながら、それぞれのテーマでもっと富士山のことを調べて、実際行ってみたいと思うようになった。富士山と季節の花々、画家の描いた富士山、ダイヤモンド富士、きっと、まだまだ色んな富士山の表情があるはず。
皆さんもお気に入りの富士山を探してみてほしい。
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