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オーストリア:観光客の抗原検査について(2021年8月)

ずっとロックダウンをしたり、解除してみたり、また何かを規制してみたり、色々と政策が変わるEU連合。欧州内でも状況と事情が異なるため、各国が独自に規定を設けている点もあるが、今回私が住んでいるイタリアから、国境を接している国の一つ、オーストリアへ旅行したので、このコロナ禍における経験を記録しておこうと思う。
なお、これからの内容はあくまでも旅行者として行った私の経験であり、他の方の経験とは異なる部分もあるかもしれない。

いつか、これが思い出話になりますように。

グリーンパスまたはテスト陰性証明が必要

オーストリアは首都ウィーンとその他の地域によって、多少差はあるが、基本的には次の場合にグリーンパスまたはテスト陰性証明書が必要である。

・ホテルに滞在
・レストランやカフェで座って飲食
・美術館や博物館等への入場

オーストリアへは車での家族旅行。親である私とパートナーは既に予防接種を2回しているので、『グリーンパス』と呼ばれるQRコードの入った証明書を持っていた。しかし、中学生である子供達はまだ予防接種を1回しか受けていない。ここがややこしいところで、イタリア国内なら1回でもグリーンパスがもらえるのだが、オーストリアは1回のみの接種は認めていない。したがって、『テスト陰性証明書』が必要なのである。

なんのテストかというと、これは鼻から綿棒を入れて検査する『抗原検査』または『簡易検査』(Antigen Test、Schnell Test)と呼ばれるものである。15分で結果が出るため、手っ取り早い。陰性だと証明書がもらえ、48時間有効である。

なので、子供達はこの抗原検査は2日おきに受けなければならなかった。オーストリアの観光省や保健省などのサイトによれば、「どこでも簡単に受けられます」となっていたため、半信半疑なものの、オーストリアへいざ入国。
イタリアからはタルヴィジオという国境の街から入国したが、グリーンパスはおろか、パスポート検査もなし。シェンゲンなので元々ないのだが、もしかしたら今の時期あるかなと思ったけど、皆無であった。

ケルンテン州:街の中心地にチェックボックス

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タルヴィジオから入国すると最初に入るのはケルンテン州である。ここでは、州都クラーゲンフルトで1泊したのであるが、街の中心広場にいきなりコンテナーが出現!大きい広場なのだが、両端に「チェックボックス」と呼ばれるコンテナーが2つあり、日中やっていて(開館時間確認忘れ)、常に数人並んでいた。
この時は子供達の証明書は、まだイタリアで取ったものが有効だったので、直接確認していないが、一応「誰でも無料」となっていた。

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こちらはフィラッハという町のチェックボックス。花で飾られていて、なんとも可愛らしかった。このフィラッハというのは国境の町で、イタリアとスロヴェニアから入国するとほぼ最初に通過する町なので、「観光客ウェルカム!」みたいな雰囲気であった。ここももちろん無料。日中は人が常に並んでいたり、たむろしていたので、閉まってから撮影。中心街ではこの一つしか確認できなかった。

ケルンテン州、ホテルではパスや証明書を見せるので、マスク着用不要。薬局、スーパーなど証明書を見せる必要がない場所はマスク着用義務。
レストランやカフェは、聞かれるところもあれば、全く聞かれないところも。ヴィラッハは店内でもマスク着用不要。

ウィーン:チェックボックス、薬局でテスト可能

ウィーンに到着して、翌日には子供達のテストをする必要があった。ホテルで聞いたらすぐ近くにチェックボックスがあるので行ってみてー、とのこと。

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ここでもコンテナー型のチェックボックス、人気がないため、ドアをノックしてみたら、お兄ちゃんが出てきてくれた。ウィーンでは電話またはサイトで予約を取るのが必須とのこと。やり方を教えてもらい、早速翌日の予約を取ってみた。ケルンテン州と違い、「無料」とはどこにも書いてないので、聞いてみたら欧州のカード型保険証があれば誰でも無料とのこと。日本人やアメリカ人はどうなの?と問い詰めてみたが、ここは3区という地区にあり、観光客がそんなに来ないようで、「うーん、わかんないけど多分有料かも」と頼りない返事。
結局うちはここがホテルから近くて便利だったので、毎回ここで検査をした。

その後、1区など中心地に行ってみたところ、まずウィーンでは予約を取らなければならないが、ほとんどすべての薬局で検査可能。抗体検査、PCR検査になると誰でも有料になるようであった。チェックボックスはホーフブルグのところで一つ発見。ここはセルフテスト方式で、自分で鼻に綿棒を入れて、液につけて、提出するというものである。
見出し画像は1区の中心街にあった、有料だけど、誰でも予約なしで受けられるテストステーション。抗原検査は25ユーロとなっていた。

ウィーンの多くの美術館、博物館ではグリーンパスや証明書の提示なし。ただし、マスク着用は義務である。公共交通機関も同様である。しかし、トラムや地下鉄はクーラーがないものが多く、マスクしていて死にそうであった。。。
レストランやカフェは、聞かれるところもあれば、聞かれないところも。一番きちんとデータを一つ一つ確認されたのは唯一、カールスプラッツ近くにある日本料理店だけであった(笑)。

ザルツブルグ:ホテルでも検査可能

ザルツブルグもウィーンとシステムは同じで、街中に2箇所あるテストステーションで予約を取れば検査ができる。ザルツブルグは欧州の保険証がなくても、誰でも無料のようであった。というのも、保険証のデータも全く聞かれなかったし、並んでいる時に日本に住んでいるというトルコ人男性と話をしたのだが、彼は1ヶ月ぐらいザルツブルグにいるようだが、お金を払っていなかった。

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また、ホテルでもセルフテスト方式でできるようになっているが、この場合は有効期間が24時間。万が一パスや証明書を持っていない観光客のための対応のようであった。

しかし、レストランやカフェでは、ほとんどパスや証明書を聞かれなかった。ホーエンザルツブルク城はパス、証明書提示で、マスク着用不要。モーツァルトの生家はパス提示不要、マスク着用義務。

今回は他にも観光名所があるインスブルックのあるティロール州や、グラーツのあるシュタイヤーマルク州には行っていないが、とりあえず観光客が行くところであれば、抗原検査は簡単にでき、(もちろん陰性なら)証明書をもらえて観光目的の滞在なら全く問題がないという印象であった。

日本から渡欧できる方はまだなかなかいらっしゃらないと思うし、この記事が誰かの役に立つかはわからないが、一夏の備忘録ということで。
これから何度かに分けて写真をアップする予定。