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NPOの数が減っていく理由とエンジェル寄付の必要性と。
ジャンルを選んで寄付するsolioの代表の今井紀明です。今週は、僕の3年前の「エンジェル寄付」に関する投稿がtwitterで取り上げられて同じ関心を持っている人もいるんだと勇気付けられました。
きっかけはこのツイートでした。
NPOの「創業期」というフェーズで見ると、NPO法人としてのメリットはほとんど無い状態からの運営になります。
— 田中成幸@若者支援複業系 (@masayukitanak11) August 31, 2021
ベンチャーやスタートアップには、この時期の起業家を支えるエンジェルやVCがいるけど、非営利業界にはそれがない。
非営利セクターは起業家が「食えない」。それが先細りする要因の一つ。 pic.twitter.com/K7VBd7Ew5q
NPO自体の数が減ってきている、新規の創業の数も減ってきているのは以前SNSで僕も触れていますが、大きな課題です。
その原因はいくつかあると思っていて、雑になりますが、
①「政策起業家」が注目されるようになってきた
②創業期のNPO支援が金銭面で圧倒的に少ない
この二つが一番大きいだろう、と思っています(他にも理由もあるが、この場では省きます)。
「政策起業家」が注目されるようになってきた
①に関しては短くいうと、NPO文脈で言うならば、事業として起業するよりも国や自治体の政策に影響&インパクトを与えることがトレンドになってきているように思っています。
政策起業家とは、なんですが、
【政策起業家】とは
社会課題等の解決手段となる特定政策を実現するために、情熱・時間・資金・人脈、そして革新的なアイデアと専門性といった自らの資源を注ぎ込み、多様な利害関心層の議論を主宰し、その力や利害を糾合することで、
当該政策の実現に対し影響力を与える意思を持つ個人(または集団)
出典はこちらになります。
2008年〜2019年ごろまでは社会起業家が注目されていた時期になっていましたが、2020年以降は政策を実現する起業家が目立ってきたと思います。これは30〜40代の社会起業家だったNPOの代表の方々が政策面で影響を出すようになってきたことも言えますが、20代の起業家やアクティビストに広がってきているように僕は思っています。
これがひとつNPOを作らない理由にもなってきていると僕は思っています。
大前提として政策起業家は必要であり、声を上げてデータを集めたりして社会を変えていく手法は絶対に必要です。ただ、NPOを作らない理由、とはこれまで20代でNPOで起業していたであろう若年層の子たちが事業として社会課題を解決するより声をSNSであげて国や自治体に声を届けて、実際にそれを変えることの方が早いし影響力も大きく使いやすい、ということに気が付いているからだと思います。
ツイッターで流れるハッシュタグによる社会運動的な動きをみたり、企業が環境に配慮しない取り組みをしていたときに声をあげたりすることで企業が変わるような動きが見えてきました。そうなってくると、実際に事業するNPOよりも社団法人や個人、もしくはNPO法人だったとしても代表が個人で動いているところが増加したのではないか、と仮説を持っています。実際に金銭的なコストは事業をするよりもかかりにくいですし、ファンドレイジングしやすいことも影響しているように思います。
創業期のNPO支援が金銭面で圧倒的に少ない
いやー、これは正直NPO法ができてからの問題だし、僕が3年前に描いているからまずはそのnote読んで欲しいです。
と、読んでみたけど、あんまりわからないですね笑
ただ、僕と桂さんとツイート見てもらえると少しわかりやすいと思っていますが、
ほんとその通りで、エンジェル・シードに相当する寄付金・助成金がもっと必要。solioでもいずれ「スタートアップNPO」のようなジャンルを作っていきたい。 https://t.co/8LeIggheOw
— 桂大介 / Daisuke Katsura (@dkatsura) August 31, 2021
桂さんも「スタートアップNPO」という考え方を出していますが、設立初期段階で1000万単位で寄付してNPO起業家を支援するような組織やエンジェル寄付者が存在していくと、生態系やNPOで起業家として参加する若手も増えていくと思っています。今はいなさすぎて、課題に対応する人が不足しすぎている。 https://t.co/3FtrdZmywT
— 今井紀明 10代の声を聴いて伝えるNPO代表 (@NoriakiImai) August 31, 2021
要するに、NPOって設立資金はほとんど創業者である個人が出している場合がほとんどです。僕の場合は個人で貯めた80万円とETICさんから助成金でいただいた100万円を合わせた180万円で始めたんですが、高校生たちと関わったりする中で経費やスタッフの人件費などを払っていると、数ヶ月でお金がなくなるし、自分の給与なんてほぼない(僕はまともな給与をもらうまでに4〜5年かかりました。それまで極貧生活で、借金や滞納も多々ありました)。
これで続く人がまず稀です。また、続いていたとしても精神的にきつくなるし、また組織としての成長が遅くなるのは想像しやすいのではないかと思っています。だからこそ、桂さんのいうような「スタートアップNPO」が必要だし、僕がいうような創業初期のときに1000万単位で寄付するようなエンジェル寄付の存在、必要だということです。
そうすることで、NPOの起業家が育ちやすくなる。僕はそう思っています。
幸い、イケハヤさんがエンジェル寄付したい、と表明してくれました。
お、これやりたいですね!NPO向けのエンジェル投資家。 https://t.co/G9DgbPVRaN
— イケハヤ@DeFi投資家 (@IHayato) August 31, 2021
うれしいですね。
本当にこういった起業家の方や個人で資産を持っている方が動き出してほしい、とマジで思っています。これだけ社会課題が多いし、国が課題があったとしてもスピーディーに手を打てない社会になっているからこそ、NPOの起業家で事業として広げられる人が必要なのだと思っています。
solio自体は月額30万円以上、毎月NPOに寄付をしていっていますが、個人による月額寄付でもっと多くのNPOを支援したいと考えています。「寄付したいけれど、寄付先がわからない」という人もsolioの活動を通して、改めて多いと気づきましたし、最近はsolio毎日寄付者さんが増えていますが、それだけニーズがあるんだと自信を持ってきました。
エンジェル寄付も動いていきたいですが、月額の寄付をどれだけ社会的に多くできるか。月額100万円だったら、年間1200万円、月額1000万円だったら年間1億2000万円寄付できます。登録するNPO30団体なので、平均400万円寄付できます。もっと大きなインパクトを出していきたいですが、ユーザーさんともっと大きな寄付を目指していきたいと思います。
そういえば、solio club始めました。
solioの寄付者さん向けにユーザーコミュニティーを開設しました!寄付者さん限定で情報発信いろいろとしていきます〜! #ソーシャルポートフォリオ
— 今井紀明 10代の声を聴いて伝えるNPO代表 (@NoriakiImai) September 1, 2021
solio始めてみてください〜