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第二の故郷イタリアでつらつら

三日目〜。
ようやくついたイタリア、トリノ。
最初の数日は忙しく友人たちにバタバタあった。美味しいものもたくさん食べた。そして、私たちはそこでフリーズになった。熱いだけのアパートに閉じ込められた。その時の日記を。

気をつけていた夫がCOVIS感染!



わたしにとっての第二の故郷がイタリア。
いま義母の家のトリノに滞在中だ。
本来ならべネッツィアへビエンナーレを見学に
撮影旅行で二泊三日で、いく予定があったが、
なんとなんと、旅の疲れと、それも癒されないうちに動きイタリアへ着いてイタリアの仕事を早々と始めた夫は免疫がさがったのかコロナ感染
高熱があるので、コロナではとわたしが無理やりセルフチェックをした。39.7度。15秒で陽性。

夫はもちろん家の中で隔離。わたしの旅行はキャンセル
(ガーン!)
わたしと義母は、陰性。一応検査は薬局でやった。彼もヨタヨタ薬局で検査。言われたのは、「これほどのウイルスいっぱいは珍しい」だそうで、スプラッター状態。彼は自主隔離が始まった。

きょうはその頃イタリアについて考えたことをnote。

夏のイタリアのベストはこう言う美しい人々がいる風景が多いこと
@KeikoB
イタリア共和国ができた最初の場所
@keikoB


頭の中が熱さで溶け出す



世界の悪いニュースが常に頭の片隅にあって追いかけられるように、生きているのが最近のわたしのオランダライフ。
なんだかいつも不安定。
ロシアとウクライナがこれ以上拗れたらと思うと気が気ではない。
これはヨーロッパに住んでる人が多少なりとも最近だれでも持っている不安感だとおもう。(実際はお互いに手を握ってるとわたしは妄想してもいるけれど)

ところが、ここはヨーロッパであってもイタリアで、わたしの家ではない。

夫は感染してわたしも義母も感染する可能性も一応あるというのに、
朝から夜まで、いまのわたしはすこし、ぼっとしている。これはなんだろう? コロナの心配もあまりしてないし、ホリデー気分なのか?

あまりの暑さからか、考えても何も変わらないだろう悪いことは考えないという状況がうまれているのかわからないけど、だいぶ、いやかなりわたしの頭はお休みになり出した。

アプリコットをフランスから買ってきて、それをイタリアの灼熱の太陽の下で干す。なかなか、いい加減になったというよりこれは干し柿のような早さで梅ができあがる。そういうアプリコットをみているとここがどこにいるのかさえ忘れる

アプリコットでの梅もどき
@keikoB

義母がお水を出しっぱなしでいろいろしているのをみると干魃で水不足のピエモンテ州にいることも忘れる。アルプスの氷河が崩れてるのは本当だろうかという気になる。彼女は水はプラスチックボトルで買う。それでフィルターは? とかこのボトルは換金できるのかを、彼女がそのボトルを潰してる時に聞いてみる。換金する場所はあるけど、きっと壊れてる、と彼女は言う。(確かめてもトライもしてない)わたしが買ってきたものを袋を開ける前に「臭い」といい、捨てたらという義母に対しての怒りも、すぐに忘れる。プーチンやゼレンスキーのウクライナ戦争や、アベ襲撃も忘れていく。年取った九十歳も近い人といると、記憶はどうでもいい気になる。彼女は隣の部屋で息子が寝ているのを時々忘れてる。

わたしはこの熱いアパートで記憶の忘却について学んでいる。(よく言えば)

イタリア語が好きだ!


イタリア留学は『1993年』から語学と写真で計三年くらいした。その上、フィガロなどの雑誌の通信員の仕事やイタリアのクライアントもついたので、そのまま居残り、計イタリアには7年くらいいたとおもう。

来るたびにここが第二の故郷だな〜という思いを強くする。そしてイタリア語は日本語の次に好きな言語だ。

オランダ語は22年もいてもどうも板に付かない。
それに比べてイタリア語は日本語のように、普通にでてくる。はっきりいうと英語よりスムーズだ。やはり 好きこそ物の上手なれ である。

足りないのはどんどん忘れていく単語と難しい文法の使い回しか?
国会では下にテロップが入ると言われているトリノ方言も、最近では35%は聞こえるようになり自分で驚く。この年でイタリア語力があがっている

やはり将来はイタリアなのかなと、ついおもう。

コロナパスで分かったイタリアの全体主義


去年はコロナパスのことでヨーロッパはヒステリー状況にあったので、もう、イタリアに将来住むのはやめたと思った。もともとはイタリア人になるのもとさえ考えたわたしなのにだ。
そして今年、わたしの気分はどうかわったのかであるが、

新自由主義のドラギ首相が辞任するというタイミングで新聞をみながらおもうが、コロナパスのないいま、やはりイタリアは楽である。ただし、この人々の自分が自分がという自己中心の世界では、わたしのような謙虚(ここでは!)なタイプは、ダメダメである。かなりダメである。むしろ一人で生きるならできるかもしれないが家族主義についていくのは相当な無理がくる。(結婚してない方がいいかも)

一人でスピリッツ。イタリアで大人気の飲み物
@keiko B
イタリア親父たちはやはりかっこいい人が多い。
@keiko B


どこで終焉を迎えるのか?


このまた核戦争危機がもたらした時代に、やはり考えてしまうこと。
わたしたちはこのままどこにいたらいいのだろう? イタリアか、オランダか。あるいは日本なんだろうか? 現実的な国選びでは、この3つの選択肢がある。
人間どこで終焉を迎えるのかはとても大切、でも既にオランダでわたしは満足しているのではないだろうか?

一人で気晴らしに外でご飯。好きなvia po沿いのレストラン


イノシシ肉のボロネーゼ。サラは深く、実はパスタたっぷり。ここは気に入って二度行った。


間違えてチーズの大盛りをとりたべまくり。
@keikoB


古いイタリア、変化のあるイタリア、どれもこれもが全くの変貌をするわけではないのが、なんだか日本と似ている。どちらも、ヤクザやマフィアが存在している世界。最近話題のカルト宗教とだけではなく、この反社会勢力が政府とも結びつき汚職だらけ、で決まったりするところが多い国たち。人々は簡単にテレビの言うことが正義だと信じるお人好しが多い国たち。

それらの2カ国に対して、この合理主義で個人主義の国にいるオランダに住んでるわたしが、いまさらいけるのだろうか? 気持ちはすっかりオランダを離れている夫であるけれど、そうはいっても既に長い間故郷を離れすぎで、戻って生活はどうなるのだろうか? 長い間生活面であてにしていた義母は、忘却の彼方へ一人向かい出している。まぁ、無理であろう。

イタリアはコネがないと結構生活をずっと続けていくのは難しい。できないわけではないけど……。はっきり言って、このコロナパス時代を得た今、わたしの心はオランダ側にある。

しかしながら日本でと言う考えもないわけではないけれど、夫がイタリア人でこれから日本語を勉強させるのはとても大変である。わたしが常に通訳をしなくてはいけないのか?

でもいざとなったら、どこへでもいく覚悟をつけておいた方がいいかな、とチラリと思う。

続く。




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