芸術行為とは何か?【Part7/8】
カフカの晩年『「彼」の為の戦い』
晩年のカフカは自己救済のための戦い、未知なるものとの戦い、しかしまた自分ではないもののために戦う「彼」のための戦い、書く行為のための戦いの葛藤のなかにいた。
カフカは文筆が作品として結実する地である耕作地からも、文筆が不毛なまま続行される砂漠からも排除され、その境界領域でさまよっていた。
「この世で生きたい」という意志と「この世から見捨てられた」と実感するカフカであったが、そのような彼の強烈な生命力の源とは「書く行為」の世界であり、作品