僕はまだ伊坂幸太郎を知らない
年が明けました。今年もよろしくお願いします。年が明けたと書いても自分の仕事は年中あるので別段変わることはありません。が、やはりなんだかリセットされた気がして、新鮮な気持ちになっていいですね。今年もポツポツと読書について書いていきたいです。
さて今回読んだ本、伊坂幸太郎さんの「3652」です。
氏のデビューから色々な媒体で書かれたエッセイをまとめたもので10年の区切りで書籍となりました。この本、再読になります。久しぶりに手に取った時にパラパラとめくり、思い出し、あぁそうだった、と気が付いたら読んでいました。せっかくなので最後まで読んでみると、以前に読んだとき以上に面白く感じられました。これが再読の面白いとこだったりします。
この本を購入した時のことはハッキリと覚えています。数ページ目で登場する「ハードボイルド作家が新人を救う」という題名のエッセイを読み、その場でレジに進んでいました。エッセイで語られる新人作家とはもちろん伊坂幸太郎さん。彼が幻のデビューとなった「悪党たちが目にしみる」の表彰式でけちょんけちょんに言われて落ち込んでいる所に北方謙三さんが声をかけてアドバイスをもらった、という内容の話でした。そう、ハードボイルド作家とは北方さんのことです。この文章がおしゃれでちょっと笑えて感動的で、何だか伊坂さんの小説みたく感じたため「これは面白いぞ」となり購入したのでした。
久しぶりに全部読み終わっての感想として「自分はやっぱり伊坂さんが好きなのだな」と改めて認識しました。別に今更思うことではないのですが(自分では分かっているつもりだった)以前に読んだときには感じなかった、「あ、この書き方好きだな」とか「人間味に溢れた文章で面白い」とか小説では知りえない伊坂さんを知った気がしました。あの方って小説ではお洒落で知的で、で何処かしらクールで冷めている、そんな物語を書く人だと思っています(最近の作品は読んでないので、変化していたらすみません)でもエッセイに書いてある伊坂さんの日常は何の変哲も無く、一般の人なんですよね。彼自身の素朴で素直な人柄が見えた気がしました。
と思っていたら、お洒落な所はお洒落なんですよ。例えば「黒く光る出たら嫌なあの昆虫」のことを「ごきげんよう、おひさしぶり」と命名したらどうだろうか?みたいなことを書いている回があり、普通思いつかないセンスでビックリしました。
と今年はこんな風に縛られずに記録を残していこうかな、と模索中です。出来ればお付き合い下さい。よろしくお願いします。