短編の楽しみと長編の楽しみどちらも堪能の7月
もう読む前から面白いだろうと分かってしまう小説がある。それは個人的な好みにどんぴしゃりとはまるような小説だ。例えば伊坂幸太郎の陽気なギャングシリーズがそれにあたる。要はチームで協力して犯罪をおかす、愉快な作品が大好きなのだ。ドナルド・E・ウエストレイクの「ドートマンダー」シリーズもそうだ。というか陽気なギャングはここからの派生であることは間違いないから面白いのは確定だ。物語は単純明快。主人公の犯罪プランナー、ドートマンダーが小粋な仲間と犯罪を企てるのだが不運によりさらに面倒な